ドラフト会議で広島から2位指名を受けた富士大・佐藤柳之介投手(22)と、4位指名を受けた富士大・渡辺悠斗内野手(22)が29日、岩手・花巻市内のホテルで契約合意した。佐藤は契約金7000万円、年俸1200万円、渡辺は契約金4000万円、年俸800万円(金額は推定)。背番号は佐藤が「28」、渡辺が「49」に決まった。佐藤は今年まで28番をつけた床田寛樹投手(29)のような活躍をすると意欲。渡辺は大学の先輩であるソフトバンク・山川穂高内野手(33)のような強打者に成長すると誓った。
****
背番号に見合う投手になると、富士大・佐藤が言葉に力を込めた。23、24年と2年連続2ケタ勝利を挙げた左腕エース・床田が着けていた28番を与えられ、「いい番号だ、とビックリしました」。床田についても「学ぶところはたくさんある。投球術であったりトレーニングであったり、できるなら一緒にキャッチボールをさせてもらいたいし、ピッチングを(捕手の)後ろで見てみたい」と、偉大な先輩左腕からどんなことでも吸収していくと前向きに語った。
佐藤に対し、先発として頑張ってほしいと言葉をかけたという広島・近藤芳久スカウトは、「床田みたいな勝てる投手になってほしい」と期待を寄せた。最速148キロのキレのある直球と多彩な変化球のコンビネーションが武器の佐藤も、「一日でも早く1軍の舞台で、先発で投げられるように頑張りたい」と気合十分。まだ背番号28は床田の印象が強いが、「ゆくゆくは、28番といえば佐藤柳之介と言ってもらえるようになればいい」と“床田超え”にも意欲を見せた。大学時から意識する“勝てる投手”をプロでも実践し、背番号28をさらに輝かせる。(有吉 広紀)
◆佐藤 柳之介(さとう・りゅうのすけ)2002年11月1日、宮城県生まれ。22歳。向洋中では七ヶ浜シニアでプレー。東陵から富士大に進み、1年春にリーグ戦デビュー。全国大会は1―3年春の全日本大学選手権、3、4年秋の明治神宮大会に登板。179センチ、86キロ。左投左打。
大学の先輩である右打ちの強打者を目指し、プロでも勝負強い打撃をみせる。「打撃を期待されているので、バットで活躍していければいい」と、富士大・渡辺が意気込みを語った。恵まれた体格を生かした長打力が最大の武器。富士大出身で同じタイプの打者といえば、現ソフトバンク・山川が有名だ。渡辺自身も「山川さんが出ているんだ、と気になって(富士大を)調べたこともある」と明かし、「長打力もあるしタイトルを取っているし、あのくらいのレベルの打者になりたい」と目標に掲げた。
プロに向けて「勝負強い打撃が持ち味なので打点を一番意識したい。打点が増えれば本塁打も打率も自然とよくなると思う」と話し、「(勝負強い打撃が)山川さんみたい、と言われるくらいに打ちたい」と意欲を見せた。力強い振りでマツダスタジアムを何度も沸かせてみせる。
◆渡辺 悠斗(わたなべ・ゆうと)2002年7月7日、東京都生まれ。22歳。福生一中では福生リトルシニアでプレー。堀越から富士大に進む。リーグ戦通算9本塁打。全国大会は2、3年春の全日本大学選手権、3、4年秋の明治神宮大会に出場。182センチ、98キロ。右投右打。