北海道コンサドーレ札幌が、9年ぶりにJ2に戦いの場を移すことが30日、決まった。残留争いの対象だった17位・柏が同日、ホームで神戸と1―1で引き分けて勝ち点を41とした。残り2試合で連勝しても40までしか伸ばせない札幌は18位以下が確定。2016年以来、通算5度目のJ2行きが決まった。1日の広島戦に向けて、飛行機で移動中に悲報が決まる結果となったが、出直しの来季へ、意地を見せての2連勝で今季を締めくくりにいく。
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無情な結末で、札幌が8年間守ってきたJ1の座を失った。広島戦を翌日に控え、空路で移動していた道中、柏が勝ち点1を積み上げた。試合をすることなく、届かないことが決定した勝ち点7差。広島に着き、チームを代表して取材に応じた荒野拓馬主将(31)は「やっぱり最後の最後でこうなるというのは悔しい」とみんなの思いを代弁した。
停滞した期間の遅れをばん回できなかった。開幕前キャンプから負傷者が相次いだ。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(67)が繰り返した「ベストメンバーが組めない」の言葉通り、5~7月に8連敗を喫するなど、苦戦を強いられた。後半戦は勝ち点34中の23を挙げて巻き返したが、残り2戦で希望がついえた。
荒野は「これだけけが人が多い中で、選手自身の問題もあるが、クラブとして何か変えないといけない部分とか、小さなことが今年全て降りかかってきたと思う」と漏らした。
ペトロヴィッチ監督の今季限りでの退任は5月に決まった。しかし後任は未決な上、個々の選手との契約も進んでいない。来季2025年に1年でJ1に戻れなければ、26―27年の秋春制移行もあるため、復帰は当面、先になる。まさに一からの出直しとなる来年に少しでも光をともすためにも、意地を見せたい。
荒野は「降格してしまったが、プロとして残り2試合、2勝して終われるようにやっていきたい。来季に向けても、1年でしっかりとこの場所に戻って来られるように、一人一人考えてレベルアップしていきたい」と口元を引き締めた。心意気は今日の広島戦で結果として示す。
(砂田 秀人)