日本バレーボール協会は2日、男子日本代表の新監督に就任内定したロラン・ティリ氏がオンライン会見を行った。2021年の東京五輪で母国のフランスを五輪初の金メダルに導いた名将は「2028年ロサンゼルス五輪で表彰台を目指したい」と目標を掲げた。在任中の大阪ブルテオン(B)の監督は今季の活動終了後に退任し、来年4~5月頃に正式に代表監督に就任する。任期は28年のロサンゼルス五輪後のアジア選手権終了時までとした。
男子日本代表は、フランス人のフィリップ・ブラン前監督が率いた今夏のパリ五輪では、準々決勝で強豪・イタリアにフルセットで競り負け、目標のメダルには届かぬ2大会連続での8強だった。ティリ氏は五輪2連覇の母国・フランスとの差について「一言で経験の差。フランスは東京五輪で勝利を収め、その後の国際大会、五輪予選でも成績を残してきた。フランスは重圧の懸かる大事な場面でノビノビとプレーできた。日本は重圧の中で、ノビノビとプレーする段階に各選手がなれなかった」と示した。
ロス五輪では1972年ミュンヘン大会以来、56年ぶりのメダルを目指す。「ロスに向けて道は1つ。全ての国際大会で表彰台を取りに行く気持ちで臨むことが大事。イタリア、ポーランド、米国などの強豪と渡り合っていくことは厳しいが、経験と勝利を重ねることで、ロス五輪での表彰台への道が開かれる。逆に言えば、それしかない」と覚悟を口にした。代表選考については経験豊富な選手や新戦力にも目を向け「チームに年齢の制限はない。選考対象は広くして、最高のチームをつくる」と語った。
◇ロラン・ティリ 1963年12月1日、フランス出身。61歳。フランス代表で406試合に出場。欧州選手権で2度のメダル獲得。五輪は88年ソウル、92年バルセロナ大会出場。2005、06年にチェコ代表監督を務め、12年からフランス代表監督。五輪は16年リオから2大会連続で指揮を執り、21年東京大会金メダル。20年からパナソニック(現大阪B)監督。