巨人・長野久義外野手が40歳の誕生日を迎えた6日、長打復活を不惑の誓いに立てた。大阪市内でミズノ社の「アンバサダーミーティング」に出席。プロ15年目で初のノーアーチだった今季を踏まえ「やっぱりホームランを打ちたい」と、グリップエンドを厚くした新バットを試験導入することを明かした。40歳以上のシーズンで本塁打をマークすれば球団野手で10人目となる。
黒のスーツに身を包んだ長野が、爽やかに白い歯をこぼした。「40歳になっちゃったね」。節目のバースデーは、用具提供契約を結ぶミズノ社のイベントに参加。来季はセ・リーグ野手で最年長となることが濃厚だ。他球団の選手とも交流を深め「今日は(ヤクルト)石川さんも来られているし、大先輩もまだまだ元気なのでね。しっかりとけがしないように体をつくってキャンプに入りたい」と思いを新たにした。
不惑のテーマは明快だ。「今年、ホームランを打てなかったからね。やっぱり打ちたいなと思う」。今季は8月以降に打率3割4分6厘をマークするなど存在感を発揮した一方で、プロ初の0発。東京Dのフリー打撃では左中間席最上段まで運ぶなど「まだ飛ぶのは飛ぶ」と、パワー自体は健在だ。打球に「角度がつきやすいようにしたい」とミズノ社のクラフトマン・名和民夫さん(57)にバットのモデルを相談。完成した新タイプをこの日、初めて握った。
長さと重さは従来と同じだが、グリップエンドが3~4ミリ厚くなった新相棒候補。バランスがグリップ寄りになったことで操作性が上がり、打球をイメージ通りに飛ばせる可能性が上がるという。あくまで試験導入段階ではあるが「いろいろ、キャンプで試してやりたい」と背番号7。10年のプロ入り時から長野のバットに携わっている名和さんは「今までキャンプ後に『もっとこうしたい』という話はありましたが、キャンプに向けて新しいバットのオーダーというのは記憶にない」と目を丸くした。
40歳以上のシーズンで本塁打を放てば球団野手では10人目となる。見据えるのはリーグ連覇と日本一奪回のみ。「今年はうれしい思いも悔しい思いもした。最後は勝って終わらないとうれしくないしね。また監督を勝たせたい」。闘争心はすでに燃え上がっている。
(内田 拓希)