タイガース・前田健太投手(36)が7日、26年の次回WBC日本代表入りに意欲を示した。大阪・貝塚市内で開催されたミズノの野球教室に23年WBCで世界一奪還に貢献したカブス・今永昇太投手(31)、カージナルスのL・ヌートバー外野手(27)と参加。自身が主戦格だった13年大会では4強敗退だっただけに「まだまだ諦めてない」とメジャーリーガーとして13年ぶりの雪辱を狙う。
言葉に熱がこもった。話題が26年のWBCになった時だった。21年9月の右肘手術で22年を全休した前田は23年大会のメンバーには入らなかったが、日本代表への思いは冷めていない。
「ファンの人からすると年齢的に難しいと思われる方もいるかもしれないですけど、しっかりと選んでもらえるような結果を残せるように、僕もまだまだ諦めてないというところは見せていきたい。可能性はすごく少ないかもしれないですけど、選んでもらえるような投手でありたい」
タイガースに移籍した渡米9年目の今季はメジャー最低の3勝(7敗)に終わり、防御率6・09は自己最悪。7月中旬からは中継ぎに配置転換された。「野球人生で一番苦しんだシーズンだった」。今年の漢字1文字には「新」を選び、「新しい自分を探さないといけない」と背水の覚悟で来季に臨む考えだ。
13年WBCではエースとして4強入りに貢献。26年の井端ジャパンに選ばれた場合、その時は37歳10か月となっている。23年WBCに36歳6か月で出場したダルビッシュ(パドレス)を抜いて投手では最年長出場になる可能性まであるが、日米通算165勝右腕には豊富な経験がある。前田について今永は「(今季途中に)前田さんと話して、体験談とアドバイスをもらってから、後半すごく盛り返せた。教科書のような存在です」と証言する。
代表からはメジャー挑戦の前年、15年のプレミア12を最後に遠ざかるが、そのためにも今は2年契約最終年の来季に集中する。「来年やり返せるように、前向きに頑張っていきたい」。26年のWBCは大谷(ドジャース)、母方の祖父が日本人のイエリチ(ブルワーズ)、同祖父母が日本人のクワン(ガーディアンズ)らも参加を熱望。最強ジャパンに前田も名を連ねる。(中村 晃大)
◆13年WBCの前田健太 準決勝のプエルトリコ戦で5回4安打1失点と好投したが、援護なく敗戦投手に。大会を通じては3試合で2勝1敗、防御率0・60。チーム最多の15回を投げて1失点、18奪三振と奮闘し、ベストナインに相当するポジション別優秀選手に選出された。世界に名前を売り込み、MLB挑戦につなげた。
◆WBC日本代表の年長選手 過去5大会で、最年長は13年大会の稲葉篤紀(日本ハム)の40歳6か月、次いで同年の井端弘和(中日)の37歳9か月、同年の松井稼頭央(楽天)の37歳4か月。投手の最年長は23年大会のダルビッシュ有(パドレス)の36歳6か月。※年齢は日本の開幕戦時点