女優の天海祐希の主演舞台「桜の園」が8日、東京・世田谷パブリックシアターで初日を迎えた。
演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ氏が、帝政ロシア末期を舞台に没落してゆく貴族社会と人間たちをみつめた悲喜劇を世に残した劇作家アントン・チェーホフの作品に挑むチェーホフ四大戯曲上演シリーズ「KERA meets CHEKHOV」の最終章。天海は長く滞在した外国から、桜の木々に囲まれた貴族の屋敷に戻ってきた女主人ラネーフスカヤ夫人を演じる。
チェーホフの戯曲に初挑戦した天海は「以前は、もっと難解で高尚なイメージを持っていたのですが、ここに出てくるのは不完全で愛おしい人ばかり。大きな時代の流れの中で、誰もが皆一生懸命生きているんだと思うと胸が熱くなります」。稽古を通じて手応えを感じている様子で「こんな受け取り方や表現の仕方があるんだなと、KERA版『桜の園』を楽しんでいただけたら」と話している。
井上芳雄、大原櫻子、緒川たまき、峯村リエ、池谷のぶえ、荒川良々、鈴木浩介、山中崇、藤田秀世、山崎一、浅野和之らも出演し、27日まで同所で。来年1月6~13日は大阪・SkyシアターMBS、同18~26日(日)には福岡・キャナルシティ劇場でも上演される。