ロッテ・佐々木朗希投手(23)が、9日(日本時間10日)から米テキサス州ダラスで行われる「ウィンターミーティング(WM)」に合わせて、メジャー移籍のためのポスティングシステムの申請を行う見通しだと7日(同8日)、スポーツ専門局ESPN(電子版)などが伝えた。現行制度の規定で、正式契約を結ぶのは25年1月15日以降とみられるが、「朗希争奪戦」が本格的にスタートする。
いよいよ本格的な「朗希争奪戦」のゴングが鳴らされる。ESPNなどによると、各球団のGMや監督ら球団幹部や代理人が集うWMに合わせて、朗希はメジャー移籍のためのポスティングシステムを申請する見通しで、45日間の期間となる米球団との交渉は、10日に始まることになるという。
例年、WMでは移籍市場が大きく動く。昨季もWM終了直後にFAの目玉だった大谷のドジャース入りが決定。今年は、多くの球団が熱視線を送っている朗希獲得への駆け引きが行われることになる。各球団との交渉などをスムーズに行うため、朗希が米国入りして備える可能性も高い。
最終的な契約合意は来年1月15日以降が濃厚とされている。現行制度では、米国やカナダなど以外25歳未満の外国人選手はドラフト対象外のためマイナー契約しか結べず(メジャー出場は可能)、大型契約は見込めない。さらに米球団の青田買いを防ぐため「国際ボーナスプール」が定められており、15日に終わる今季のボーナスプールの金額は各球団少なくなっているが、来年1月15日からは25年の枠となり、各球団500万~750万ドル(約7億5000万円~11億円)程度を使えるため、ロッテへの譲渡金(マイナー契約は契約金の25%)なども考慮して、急ぐ必要はない。
昨オフ、25歳でポスティングシステムを行使し、ドジャースと12年総額3億2500万ドル(約465億円=契約発表時のレート)で契約した山本のような大型契約は必要なく、資金力豊富な球団でなくとも争奪戦には参戦が可能だ。最速165キロで侍ジャパンでWBC優勝も経験した金の卵を、多くの球団は編成トップをシーズン中に日本にまで派遣して視察してきた。
現地メディアでは大谷、山本の所属するドジャースが最有力候補とする見方が強く、ダルビッシュと松井の所属するパドレスが対抗馬の筆頭とされている。
◆25歳ルール メジャー球団が25歳未満の海外選手を獲得する場合、契約金等の総額を年間500万ドル程度に制限するルールが設定されている。マイナー契約(メジャー出場は可能)しかできないため、ポスティングシステムを利用した場合に契約金や年俸の総額によって変わる旧所属球団への譲渡金は大きく減り、NPB球団の見返りが少なくなる。大谷も3年目までは年俸が1億円に達しなかった。