◆柔道◇グランドスラム東京大会 最終日(8日、東京体育館)
男女7階級が行われ、男子90キロ級はパリ五輪銀メダルの村尾三四郎(JESグループ)が頂点に立った。準決勝で5月の世界選手権覇者の田嶋剛希(パーク24)、決勝は昨年世界王者のルカ・マイスラゼ(ジョージア)に勝利した。
村尾が五輪銀メダリストの貫禄を示した。準決勝は現世界王者の田嶋との対決。これまでの対戦では分が悪かったが、9分48秒の熱戦の末に技ありを奪って優勢勝ち。決勝も23年世界王者のマイスラゼに勝利と強豪を連破して五輪後初戦を飾り「出場して勝ち切れたこと。五輪が終わってから、柔道に逃げずに向き合い続けた自分を評価したい」と胸を張った。
パリ五輪は決勝で東京五輪覇者のラシャ・ベカウリ(ジョージア)に先に技ありを奪ったが、残り4秒で逆転負けを喫した。もやもやを振り払おうと、帰国直後に体を動かし始め、8月末には本格的に稽古を再開。気持ちが乗らない時期もあったというが「銀で終わった悔しさと、強くなるためにやるしかないんだと自分に言い聞かせた」と道場に足を向けた。
国内で開催される唯一の国際大会。五輪メダリストとして「五輪で柔道を初めて見て、生で見てみたいと思った人もいると思う。自分が出て、柔道の魅力や勝ちを1つでも感じ取ってもらえたらと思っていた」との自覚もあった。「ロス五輪を目指す上で、ここで勝っておきたかった。いいスタートを切れた」。雪辱の金を目指す28年ロサンゼルス五輪へ、確かな手応えをつかんだ。