◆第76回朝日杯FS・G1(12月15日、京都競馬場・芝1600メートル)
ニタモノドウシ(牡2歳、美浦・高木登厩舎、父ディーマジェスティ)は、父も叔父のイスラボニータも皐月賞馬という良血。デビュー前から素質の高さは評判だったが、レースぶりも期待にたがわぬ素晴らしさだ。
新馬戦は福島1200メートルで大出遅れ。通常だったら挽回不可能な位置になったが、そこからスルスルとポジションを上げると最速の末脚で突き抜けた。上がり3ハロン33秒6は同条件の2歳戦で歴代2位の速さ。続いたクローバー賞はまさにテンよし、中よし、しまい良しの素晴らしい内容で、再び外を突き抜け2歳コースレコードV。ここまで2戦、全く底を見せていない。
しまいの脚が注目されているが、コーナーリングのうまさも際立っている。まるでドリフトするかのようにスピードを保ったまま上がり、そのまま直線で首を大きく沈ませて走る姿は、あの3冠馬ナリタブライアンをほうふつとさせる。
1週前追い切りは美浦ウッドコースで6ハロン84秒1―11秒6。3勝クラスのデコラシオンを追走して遅れたが、もともと調教でそれほど動く馬ではなく気にしなくてもいい。高木調教師も「悪い馬場に脚を取られていたが、動きは悪くない。折り合い面に問題はなく、距離は大丈夫」と、手応え十分だった。
そして、今回の鞍上はライアン・ムーア騎手。追えば追うほど伸びそうなフォームと豪腕の手は非常に合いそうで、どれだけのパフォーマンスを見せてくれるか楽しみだ。(角田 晨)