◆第76回朝日杯FS・G1(12月15日、京都競馬場・芝1600メートル)
第76回朝日杯FS・G1(15日、京都)でニタモノドウシが一発を狙っている。父ディーマジェスティとそっくりな見た目から命名。16年皐月賞を制した父同様に、大きな勲章を手に入れるべく虎視たんたんだ。
ニタモノドウシは16年の皐月賞馬ディーマジェスティと「似た者同士」だったことから期待を込めて名付けられた。この父子を所有する嶋田賢オーナーからマネージメントを任されている飯倉健史氏は「1歳の頃に牧場に見に行った際、幼少期のディーマジェスティと雰囲気、シルエットが似ていて、オーナーと相談したうえで決まりました」と由来を明かした。
現役の兄2頭も管理している高木調教師は「(上とは)体つきが全然違いますね」と証言した。3歳上のトップオブジェラスは砂3勝、2歳上のオウギノカナメは砂2勝とダート馬として活躍。その2頭と違うということは見方を変えれば、G1を含め芝の重賞を3勝した父の血を色濃く受け継いでいるとも考えられる。
「明らかに短い」とトレーナーが心配していた福島・芝1200メートルの新馬戦を1馬身半差で快勝すると、距離を延ばした前走はレコードV。高木師は「ゲートを出ないかもしれないと思っていたのですが、ちゃんと出て、好位で競馬ができて、優秀な競馬でした」と評価した。
前走後、間隔を空けて成長を促したことで、思惑通りに心身で良化。「ちょっと気持ちが入りすぎるところがあって以前は馬房でも結構暴れていたのですが、その辺はだいぶ解消されてきました。体つきも競走馬らしくなってきました」と確かな成長を感じていた。
2戦2勝とまだ底を見せておらず、今回はムーアを鞍上に迎えてのG1初挑戦。レース当日は御年87歳の嶋田オーナーも京都競馬場で観戦予定と、父子G1制覇への準備は着々と進んでいる。(西山 智昭)
◆ディーマジェスティのクラシック戦線と産駒 15年9月の札幌・芝1500メートルでデビュー。11月の3戦目で勝ち上がると、3歳初戦の共同通信杯を6番人気で快勝。続く皐月賞は8番人気で2着マカヒキ、3着サトノダイヤモンドを撃破した。日本ダービー3着、菊花賞4着と3冠すべて好走。産駒は21年にデビューし、現役のオープン馬はニタモノドウシの1頭。JRA重賞はのべ14頭が出走して未勝利。