◆スピードスケート◇全日本選手権最終日(15日、青森・YSアリーナ八戸)
女子1000メートルで22年北京五輪金メダルの高木美帆(TOKIOインカラミ)がリンク新記録の1分14秒17で頂点に立った。今大会は500メートル、1500メートルと合わせて3種目を制した。
高木が年内最終レースをリンク新の滑りで締めくくった。14日に今季初めて500メートルに出場して得た感覚も生かし、前半から加速。「滑っている感覚の中で、今日は攻めるべきだと感じた」。600メートルを45秒32の好タイムで通過し、自身が持っていたリンク記録を0秒45上回ってフィニッシュ。「600メートル通過のラップタイムをしっかり出しにいくことを大きな目標として挑んで、しっかりと遂行することができた。次につなげていく上で大きな一歩だった」と手応えを示した。
今季は26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪を見据えた試行錯誤の過程で1500メートル、1000メートルともに不完全燃焼のレースが続いている。それでも「『今日もダメだった』というよりは、『次はこうしよう』と考えながらやっている。そんなにしんどくはないし、逆に楽しい」と前向きに課題と向き合ってきた。
年内最終戦を3冠で飾った。レース内容にも光が差し込み、高速リンクのカルガリーでのW杯第3戦や世界距離別選手権などが控えるシーズン後半戦へ。「海外勢もどんどん調子を上げてくると思う。その上がっていくレベルの中で、いかに戦えるか。常に勝ちにいくこと、トライしにいくこと。2つの軸を持ちながらレースに挑んでいきたい。その結果がミラノ五輪につながると思う」と表情を引き締めた。