巨人が楽天を自由契約になった田中将大投手(36)を獲得することが15日、分かった。日米通算197勝右腕は今季1軍では1登板で未勝利に終わったが、球団は復活できると判断して本格調査。ハワイ優勝旅行中の阿部慎之助監督(45)も加入を熱望していた中で、関係者によると本人が入団の意思を固めたという。今季15勝を挙げ、来季は海外FAでメジャーに挑戦する菅野が抜ける投手陣に、新風を吹かせる存在として期待がかかる。
なぜ巨人に田中将大が必要なのか。今季15勝3敗でMVPに輝き、メジャーに挑戦する菅野の穴を埋める必要があるからだ。
現状、来季の先発陣は戸郷、山崎伊、井上、グリフィンが名を連ねることが確実。続く5、6番手を横川、赤星、堀田、西舘、又木、平内、伊藤ら若手で争うとみられていた。そんな中、田中将が楽天から自由契約となった。日米197勝右腕が加われば、先発ローテ候補に挙がる。競争もさらに激化してレベルアップにつながる。
投球以外でのメリットも大きい。菅野が抜け、32歳の高梨が投手最年長になった。高梨も若手の良き兄貴分としてリーダーシップを発揮し、24歳の戸郷も先頭に立っている。その中で、抜群の実績を誇る田中将は背中で示しながら、豊富な経験を後輩に伝えていく役割が期待される。経験が武器になるのと同時に、伸び盛りの若手にも大きな刺激になりそうだ。