全国高校ラグビー大会は27日、大阪・花園ラグビー場で開幕する。2年連続出場の札幌山の手は、OBの日本代表リーチ・マイケル(36)から特製パーカーが寄贈され、気持ち充実。結束を固め、花園8強以上の目標に挑む。
聖地での戦いを間近にした札幌山の手にうれしいプレゼントが届く。同校OBのリーチがおそろいのパーカーを差し入れることが決定。高校日本代表候補のロック吉川昌宗(3年)は「憧れの人からの贈り物なのですごくうれしい。花園へ気持ちが一段と高まります」と頬を緩めた。
特製パーカーはグレーを基調に、左胸にチームエンブレム、右胸にリーチの個人事務所「MGL」、部を支援する会社のロゴなどがプリントされている。
リーチは全国大会出場が決まると度々、備品等を差し入れしてきたが、パーカーは初めて。8日にトークショー出席のため、札幌を訪れたリーチに同校関係者が相談したところ、快諾したという。
偉大な先輩のように高みを目指す。プロップの古谷飛翔主将(3年)は「シード校を倒してベスト8以上を狙います」と野望を口にする。
2年ぶりに出場となった前回大会は鹿児島実に敗れ、1回戦敗退。悔しさをバネに、今年はFW最前列の古谷を中心に例年以上にスクラムやラインアウトのセットプレー、接点の強化に励んできた。平均体重97キロのFWが安定し、BKなど攻撃の幅が広がり、穴の少ないチームになっている。
就任3年目の黒田弘則監督(53)は「選手同士で指摘し合える、意識が高いチームになってきた」と目を細める。チームは17日に福岡に入り、優勝7度の強豪・東福岡との合同練習を経て仕上げにかかる。
初戦の相手、高鍋(宮崎)には13、19年大会で対戦し、いずれも勝利したが、「先を見すぎず、一戦一戦勝っていきたい」と古谷。リーチの不屈の魂を受け継いだ後輩たちが新たなる時代をつくる。
(飯塚 康博)
〇…札幌山の手は初の試みとして「花園で旋風を巻き起こせ! 札幌山の手ラグビー部」と題したクラウドファンディングを実施している。9月の出場権獲得以降は11月に大阪遠征を行い、今大会に備え、試合10日前に道外で合宿を張る。すでに選手個々で十数万円かかっているが、クラファンで遠征費を補てんしていく構えだ。目標金額は200万円で、26日まで支援を募っている。