「第49回報知映画賞」の表彰式が16日、都内で行われた。
「正体」(藤井道人監督)で、脱獄し姿を変えながら逃走する死刑囚役を演じ、主演男優賞に輝いた横浜流星(28)はタートルネックに濃いグレーのスーツ姿で登壇。22年のドラマ「DCU」で共演した阿部寛が花束を持って登場すると、はじけるような笑顔を浮かべ、抱き合った。
用意してきた巻物を取り出した阿部が「これからも流星君には、さらなる高みを目指し、新たなる魅力を見せてほしいと思います」とエールを送ると、しっかりとうなづいた横浜。
昨年に引き続き2年連続の主演男優賞受賞。2022年の助演男優賞から3年連続の受賞は49回の歴史で初の快挙となった。
「正体」は作品賞、助演女優賞(吉岡里帆)と合わせて3冠。史上初の3年連続受賞、役所広司以来27年ぶりとなる2年連続の主演男優賞となったが、横浜は「このような素敵な賞をいただけて、そして、自分を選んでいただき本当に感謝しています」と、まず口に。
「主演男優賞をいただけたことはもちろんなんですけど、作品賞をいただけたことが何よりもうれしいです」と続けると「藤井監督とは約10年の付き合いで共に作品を作ってきて。最初は監督が自分のオリジナルの作品を作ってくれたのに自分たちの力不足で実現しなくて、そこは申し訳なくて。でも今、『正体』という作品と出会えて妥協せずに完成させられました。自分の中でも一つの集大成となった作品がたくさんの方に届いているのを幸せに思っています」と感無量の表情を浮かべた。
来年1月には主演のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」がスタート。すっかり“報知映画賞男”ともなった今が旬の俳優は最後に「これからも素敵な作品を届けられるよう作品を背負える、役を生きる事を大切に精進していきます」と笑顔で決意表明した。
◆正体 凶悪殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑判決を受けた鏑木(横浜流星)は脱獄に成功。変装し正体を隠しながら逃走を続ける鏑木は、日本中の話題の的となる。刑事の又貫(山田孝之)は、鏑木に接触した人々を取り調べるが、まるで別人のような人物像が浮かび上がる。鏑木の目的とは―。
◆横浜 流星(よこはま・りゅうせい)1996年9月16日、神奈川県出身。28歳。雑誌モデルを経て、2011年に「仮面ライダーフォーゼ」でドラマ初出演。14~15年の「烈車戦隊トッキュウジャー」で注目を集める。19年のTBS系ドラマ「初めて恋をした日に読む話」で一躍知名度を高めた。12月9日配信のABEMA連続ドラマ「わかっていても the shapes of love」、来年1月スタートのNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」に主演。