将棋の西山朋佳女流三冠=白玲、女王、女流王将=のプロ棋士編入試験五番勝負第4局が17日、大阪府高槻市の関西将棋会館で指され、西山が試験官の宮嶋健太四段に先手番で勝ち、〇●●〇の2勝2敗でタイスコアにした。
来年1月に予定されている第5局・柵木(ませぎ)幹太四段に勝てば、将棋界初の女性棋士誕生となる。
カド番で負ければ不合格の西山は、三間飛車を選択。角、飛車、角と交換を重ねるうちに、徐々に流れを引き寄せた。1分将棋の宮嶋の粘りを慎重にさばいて95手で貴重な勝利を手にした西山は「とにかく悔いのないように指せればいいなと思いました」と表情を緩めずに語った。「少し悲観した」という危うい場面もあったが、快挙に王手をかけ「もう一番、泣いても笑っても最後。本局の要所をしっかり反省して悔いのないように臨みたい」と次戦に意気込んだ。一方の宮嶋は「完敗だった。私がふがいなかった」と肩を落とした。
最終局を制して合格すれば、2022年11月~23年2月に受験して3勝1敗で四段になった小山怜央アマ以来。西山のライバルで22年8~10月に女流棋士で初めて同試験を受けた里見(現・福間)香奈女流五冠は3戦全敗で不合格だった。