落語家の桂米紫が18日、大阪市内で来年2月11日に大阪のサンケイホールブリーゼで開催する「桂米紫独演会」のPR会見を行った。
米紫は今年噺家(はなしか)生活30周年を迎え、2月23日に同所で独演会を開催。「ぶっちゃけて言いますと、今年1回きりやと思ってたんです。30周年のご祝儀的なことで。まさか来年もやらせてもらえるとは」と、米朝一門にとって憧れの会場での公演に感謝した。今年全力を出し切ったため、来年へのプレッシャーも感じているが「今年の公演を上回る会にしたいと思っております」と宣言した。
来年の独演会では「みかんや」「蛸(たこ)芝居」「らくだ」の三席を予定している。「みかんや」については入門して1年未満の頃に、今年6月に亡くなった師匠の桂ざこばさんに稽古をつけてもらったネタの1つ。「前座ばなしで、どうしようもない主人公が一生懸命みかんを売りに行く姿が好き」と選んだ。「蛸芝居」は桂米團治に稽古をつけてもらい「ざこば一門は芝居ばなしのイメージがないと思うんですけど、僕は好きなので」と説明した。「らくだ」は東西落語の中で一番好きなネタと明かし「僕はこのネタはめちゃくちゃ勇気をもらえるというか、元気になるネタ」と笑った。
亡き師匠については「落語家としての本分を忘れず、格好つけないところに憧れました。あと、噛(か)んで落ち込んでいたら『噛むのも味や』って言われて、すごくうれしかった」と振り返った。また30周年の今年は桂吉弥ら同期とも公演を開催しており「本当に若い時は仲が悪かった。ライバルです」と苦笑いしながらも、今ではそれぞれの個性を尊重。「若い頃と同様ライバルなんですけども、それぞれをすごいなって思える存在になってきています」と結束力を強調した。
30周年の節目を迎えたが、来年はさらなる精進を誓う米紫。「周年の次の年が大変と聞いたことがあるので、より気合を入れて、気持ちを引き締めていきたい」ときっぱり言い切った。