札幌大谷が、いいことずくめの2024年を最高の形で締めくくる。全国高校サッカー選手権に4年ぶり4度目の出場をする同校が18日、札幌をたち、拠点とする千葉県に入った。29日の1回戦、藤井学園寒川(香川)戦に向け、練習試合2戦を行うなどして調整する。今年はMF笹修大主将(3年)の来季J2の今治入り内定や、OBの岡山MF木村太哉(26)が初のJ1昇格を決めるなど、朗報が相次いだ。いい流れに乗って、まずは9大会ぶりの白星を目指す。
札幌大谷が新たな歴史を築き、2024年を最高の形で終えにいく。4年ぶりに臨む全国選手権舞台。過去、勝利は2度目出場の2015年度、鹿児島城西をPK戦で破った1度のみ。笹主将は「まずは目の前の一戦にこだわっていきたい」と初戦の藤井学園寒川戦に意識を集中させた上で「全国ベスト8というチームの目標はまだ達成できてない。最後はそれ以上を見ていけたら」と高みを目指していく。
朗報が続いた。全国高校総体は富山一をPKで破り、18年以来、6年ぶりの勝利を挙げた。笹主将の加入が内定していた今治は初のJ2昇格を決めた。OBの岡山MF木村はフィールド選手で唯一、全38試合に出場して初のJ1昇格に貢献。同校初のJリーガー、富山DF大山武蔵(26)はプレーオフを制し、J2への返り咲きを果たした。センターバックの大石蓮斗(2年)は11月にU―16日本代表候補合宿に初招集された。笹主将は「うまくいきすぎて怖いなというのはある」と笑顔を見せつつ「チームはいい感じで進んでいる。このままの流れを持っていければ」と追い風に乗る。
千葉を拠点とした大会前調整では、実戦2試合を交えながら課題を見直す。同時に清水隆行監督(49)は「対策というより、相手の情報は入れるが、これまでも自分たちの良さをどれくらい出せるかとやってきたので」と方針を強調。貫いてきたつなぐサッカーをピッチで最大限表現するため、まずは己と向き合う。
前回出場の20年、今回と同じ香川代表の大手前高松に0―1で敗れた。清水監督は「僕らにとっては、学校としてのリベンジマッチ」と口にし、笹主将は「4年前の先輩たちの思いも背負って戦わないといけない」と必勝を期した。FW田村佑太(3年)が「仲はいいけど、ちゃんと言い合いもできる本当にいいチーム。1試合でも多く、色んな人に見てもらいたい」と言う一体感も強みとし、札幌大谷が旋風を巻き起こしにいく。(砂田 秀人)