将棋のプロ棋士養成機関「奨励会」を三段で退会し、11月1日付で関西所属の女流棋士となった中七海(なか・ななみ)女流三段が19日、大阪府高槻市の関西将棋会館で、川又咲紀女流初段との第52期女流名人戦(報知新聞社主催)予選で、女流棋士としてデビュー戦を迎えた。
9月に奨励会三段リーグで勝ち越せず、特例残留がなくなったため26歳の年齢制限で退会。三段リーグ経験者の女流棋士は福間(旧姓・里見)香奈女流名人=清麗、女流王座、女流王位、倉敷藤花と五冠=、西山朋佳女流三冠=白玲、女王、女流王将=の“2強”に続く史上3人目で、今後の活躍ぶりが注目される。
女流棋士転向にあたっては「心機一転、前向きな気持ちでがんばります。ご指導ご鞭撻(べんたつ)のほどよろしくお願いします」とコメントしていた。
兵庫県神戸市出身で、師匠は井上慶太九段。得意戦法は「特になし」だが、福間の妹・川又とのデビュー戦は上座に座り、振り駒で後手となったが、川又の中飛車に対して、三間飛車を選択。相振り飛車となった。
持ち時間は各2時間(チェスクロック方式)で、夕刻までには決着する見込み。