プロボクシングWBO世界ライトフライ級(48・9キロ以下)王者・岩田翔吉(帝拳)が19日、WOWOWの「エキサイトマッチSP」(12月30日午後9時、WOWOWライブ&オンデマンド)の番組収録に参加。今年10月13日、東京・有明アリーナで行われた世界戦をセルフ解説した。
岩田はハイロ・ノリエガ(スペイン)とWBO世界同級王座決定戦で対戦。3回に右アッパーから右フックでダウンを奪うと、さらに左フックで倒してTKO勝ち。2度目の世界挑戦で待望の頂点に立った。この日、初めて自分の試合を自身で解説する機会を得て「子供の頃から見ていた番組だったので、夢みたいでした」という。試合をフルに見たのは4~5回目だったが、収録後に取材に応じた岩田は「一発一発、克明に覚えています。ジャブを堅く当てていく。肘から走らせるというイメージでやってきた。ジャブをしっかり当てれば決めのパンチにつながるので。相手のパンチにも反応できていたし、練習でやってきたことが試合に出ていた」と冷静に分析した。
試合後は10日~2週間ほどで練習を再開したそうで、フィリピン・マニラや米国ハワイでの招待旅行の際にも、ホノルルでは毎日走り、地元のジムで練習は欠かさなかったという。次戦は「来年2~3月くらいと聞いている」が、相手については未定。タイトル獲得後のリング上では、IBF王者・矢吹正道(LUSH緑)との対戦を希望した。岩田は試合後に、改めて本田明彦会長に「やりたいです」と伝えたところ、「わかった」という返事をもらったという。
矢吹が統一戦に関して「世界が認めないとやる価値はないでしょう」という趣旨のコメントをしたことを伝え聞いた岩田は「矢吹戦はファンが見たいでしょう。ファンが見たいなら、試合をする価値があると思う」と言葉に力を込めた。ただ、対戦したい相手は矢吹だけではなく、今月26日にWBC王座決定戦に臨むカルロス・カニサレス(ベネズエラ)とも「相性が合いそう。将来的にやれればうれしい」とも話す。WBO1位レジー・スガノフ(フィリピン)についても「バランスが良くて平均的に何でもできる」などと分析する。岩田は「ライトフライ級で一番を証明したい」と、同階級の最強ボクサーを目指す夢を広げた。