落語家の桂小文枝が19日、大阪の吉本大阪本社で「きん枝改メ 四代桂小文枝 芸歴55周年記念大作戦 YOUNG GO!GO!~落語家人生山あり谷あり谷あり~」の開催概要発表会見を行った。
今年芸歴55周年を迎えた小文枝は、能登半島の復興支援を目的としたチャリティー公演を全国55か所で行うことを発表。「昨今のいろんな方を見ていますと、一応78歳が一つの山かなと。それを超えたら80歳ちょっとぐらいまでいける。それを考えるとあと数年しかない。ちょうど55周年ということで、55か所お遍路さんのように落語会で回っていけたら」と説明した。
小文枝の出演料を10万円とし、交通費や宿泊費などの諸経費を除いた全額を寄付する。最終日にはすべての会計を発表することも明かした。すでに1回目を11月に東京で開催。チケット代は3000円と高めの設定だが「その3000円がチャリティーになる。募金箱は置きません」とチケット代金にチャリティー料金が含まれていることを強調した。
今年は能登半島を地震、水害が襲った。今回のチャリティー公演に至った経緯について小文枝は「向こうに友人がいるので聞くと、地震は使えるものも出てくる。でも(河川の)氾濫だけは全てがなくなってしまうんです。畳、布団、食器一つにいたるまで使えなくなってしまう。これは心折れましたというのを聞きました」と、被災者の気持ちに寄り添った。
囲いのある場所さえ用意してもらえれば、座布団などはすべて小文枝らが用意するとも公言。55年を振り返り「よく55年やれたなというのが実感としてある。2回3回と休んだ時期もありますし、その時によく戻していただいたなという恩義もある」と、感謝の気持ちを持って今回のチャリティー公演にのぞむ。