サッカーの全日本高校女子選手権は29日、兵庫県で開幕する。2年連続32度目出場の道文教大付は、初日の1回戦で神埼(佐賀)と対戦する。昨年までは9地域からの代表制だったが、今大会から47都道府県から代表が出る方式に変わった。初出場の相手データはほぼない状態だが、積極的にゴールを狙う攻撃的スタイルを徹底し、2020年度以来、4大会ぶりの白星を狙う。
進む道は決めた。4大会ぶり勝利へ、道文教大付が攻めの姿勢を貫く。清野訓靖監督(42)は「いくら守ったって得点を取らないと勝てない。失点してもいいからゴールを狙う気持ちで」と強調した。前回勝利を挙げた20年度以後、2回の出場はともに完封負け。その反省から、常に得点への意識を強く持ってきた。「どこからでもシュートを打つ意識はある」とエースFWの吉田有沙(3年)。練習から培ってきた意識を押し出し、白星につなげる。
苦しんだ経験が積極性を呼び戻させた。10月の道予選決勝。北照に0―2とリードされて折り返すも、後半に3点を奪い優勝を手にした。「自分たちの強みは諦めない気持ちと粘り強さ。そこはどこのチームにも負けないようにやってきた」とMF曽部妃加里主将(3年)。下を向かずに戦い、逆転劇につなげた。「あの優勝で自信がかなりついた」という主将の言葉通り、全国でも引かずに前へ出て、勝機を見いだす。
今大会から参加校数が昨年の32から52に増えた。初戦でぶつかる神埼の情報はないが、補える素地はある。今月6~8日の東北遠征では、同様にデータがない中での練習試合だった。「相手の弱点を試合中に見つけてチーム内で共有して、いい形でゴールに行けた」と吉田が振り返ったように、ピッチ内で得た感覚をプレーに生かした。手応えを得て迎える本番へ「自分たちのサッカーを、思い切り体現していきたい」と曽部主将。相手がどう来ようとも攻撃的に戦い抜き、好結果をつかみ取る。(砂田 秀人)