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東大のサブマリン・渡辺向輝がプロ照準「入ってみたいという思いは、もちろんあります」父は元ロッテ投手の俊介氏

スポーツ報知 2024年12月21日 7時0分

 東京六大学リーグ・東大の新エース・渡辺向輝(3年=海城)が20日、東京・文京区内の東大球場で今年最後の練習を行い、プロ志望の野望を明かした。今秋の法大2回戦では強力打線相手に151球で2失点完投勝利。東大にとって7年ぶりとなる「シーズン2勝」の原動力となった。WBC日本代表としても活躍した元ロッテ投手の父・俊介氏(48)=日本製鉄かずさマジック監督=と同じサブマリン。東大史上7人目のプロ野球選手を目指し、飛躍の大学最終年にする。

 渡辺は進路の話題になると、一言一句を慎重に紡いだ。だが、胸に秘めた大志は隠せなかった。「現状実力足らずで、まだ全然厳しいと思うんですけど、もし来年今よりも成長して、今年よりも抑えて、みんなに安心した試合を見せられるようなピッチャーになれば…プロ野球に入れるなら入ってみたいという思いは、もちろんあります」。父も輝いた最高峰のステージを目指し、勝負を懸ける決意を示した。

 飛躍の年だった。春のリーグ戦では全て救援で8試合に登板し、勝敗なしも甲子園経験者がひしめく猛者を相手に防御率2・45と躍動。秋のリーグ戦では4試合に先発し、チーム最多の36回1/3を投げて2完投。防御率3・72の好成績を残した。球速はあえて110キロ台に抑え、90キロ台のカーブも操り緩急で幻惑。スライダー、シンカーも強打者を苦しめた。進化の理由を「一番は制球力。全部の球で同じ投げ方をするようになって、徐々によくなりました」と自己分析した。

 小学5年の終わりに模試で偏差値80・5を記録した秀才。これまで父と野球トークをすることはなかったが「自分の中で軸を持って、対等に話せるようになった」と笑った。狙うは東大8年ぶりの勝ち点。100周年を迎える東京六大学を、渡辺が熱くする。(加藤 弘士)

 ◆渡辺 向輝(わたなべ・こうき)2004年2月25日、千葉・浦安市生まれ。20歳。小学3年から浦安ベイマリーンズで野球を始め、海城中では軟式、海城では硬式でプレー。東大では下手投げへ完全転向した2年春にリーグ戦デビューし、通算16登板で1勝4敗、防御率3・72。2完投。最速127キロ。球種はスライダー、カーブ、シンカー。遠投105メートル。167センチ、60キロ。右投右打。農学部3年。

 ◆東大出身のプロ野球選手 過去6人。第1号はドラフト制前の1965年、大洋(現DeNA)に入団した新治伸治で、プロ通算89登板で9勝を挙げた。中日の投手、外野手でプレーした井手峻(前東大監督)、ロッテの左腕として2年間プレーした小林至、日本ハム投手の遠藤良平、横浜(現DeNA)、日本ハムで通算14試合に登板した松家卓弘、日本ハム、ヤクルトでプレーした左腕・宮台康平がいる。

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