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菅野智之が覚悟の米挑戦を電話で伯父に報告「すごい喜んでいたし、『頑張って来いよ』と背中を押してもらった」

スポーツ報知 2024年12月21日 4時0分

 巨人から海外FA権を行使してオリオールズ移籍が決まった菅野智之投手(35)が19日(日本時間20日)、自主トレ先の米ハワイからオンラインで入団会見を行い、世界一への熱い思いを口にした。オ軍は若手が躍動して2年連続でポストシーズン(PS)に進出中。1年契約の年俸1300万ドル(約20億円=発表時のレート)で夢の舞台に立つ35歳右腕が、新天地でいきなりの頂点を狙う。

 決意に満ちていた。グレーのスーツに、ネクタイは巨人にもオリオールズにもゆかりのあるオレンジ色。オ軍のマスコットも意識したかのような鳥柄のものを締めた菅野は、新天地での目標を高々と宣言した。

 「ワールドチャンピオンを狙えるチームに入ったからこそ、日本では日本一になれなかったので、ワールドチャンピオンになることを一番の目標にやっていきたい」

 20分を超えたオンライン会見。手元にあったオ軍の帽子を手にして画面越しに見せつけ、自らかぶるなど少年のように目を輝かせた。12年間プレーした巨人では日本一を1度もつかめず、15年プレミア12、17年WBCでも頂点には立てなかった。だからこそ、数あるオファーの中から選んだのは、若手の活躍で2年連続でPSに進出し、ワールドシリーズ(WS)制覇の可能性を秘めたチームだった。

 「素晴らしいピッチングスタッフと、プレーオフ、ワールドシリーズを勝ちたいという熱意が伝わってきましたし、純粋にそこで投げてみたいなという思いで決断しました」

 20年終了後にもポスティングで移籍を目指したが、コロナ禍も重なって実現しなかった夢舞台。35歳のオールドルーキーになるが「野球で勝負していくんだという強い気持ちしかない」。今季は15勝でMVPに輝き、完全復活を遂げた。「100マイル(約161キロ)を投げられるわけでも、ものすごい変化球があるわけでもない。ただコントロールやコンビネーションは、アメリカでも勝負していける自信がある。何かスタイルを変えるのではなくて、今持っているものでどこまで通用するかというのをまずは試してみたい」と言葉に力を込めた。

 3日に日本からハワイに飛び立ち、巨人の優勝旅行とも合流しながら、16日(日本時間17日)にはボルティモアに移動して契約。再びハワイに戻って自主トレを再開させた。「僕は何も不安、心配ごとはない。こっち(巨人)でやってきた12年間の経験は確実に生きると思う。どんな環境でも適応する覚悟で今回、アメリカに来ている」。来年2月のキャンプイン、3月の開幕へ向けて歩みを始めている。

 母方の伯父で巨人前監督の原辰徳氏にも電話で連絡。「すごい喜んでいましたし、『頑張って来いよ』と背中を押してもらったので、成長した姿を見せたい」。1年契約での勝負。強い覚悟がみなぎっていた。(安藤 宏太)

 ◆日本人の渡米1年目のWS制覇 初めて1年目で頂点に立ったのは、05年にWソックスで30歳だった井口。野手ではこれまで唯一だ。07年には、27歳の松坂と31歳の岡島がそろってRソックスでV。今季は、ドジャースで山本が日本人4人目となる1年目でのWS制覇をつかんだ。メジャーデビューから初のWS制覇まで、最も時間がかかったのは09年松井(ヤンキース)、24年大谷(ドジャース)の7年目。

 今季のオリオールズは、235本塁打と786得点がリーグ2位と強打を武器にした。23歳の遊撃手で37発のヘンダーソン、44発の外野手・サンタンダーが中心。サンタンダーはFAで移籍の可能性があるが、正捕手のラッチマン、21歳の二塁手・ホリデーら若手の成長株も多く、Rソックスからは今季31発のオニールが加わることも決まった。

 一方、チーム防御率は3・94でリーグ8位。来季は菅野、今季13勝のロドリゲス、昨季最多勝エフリンの3本柱が先発を引っ張ることになる。今季全休した抑えのバティスタが復帰予定。投打ともにまだ補強は完了していないとみられ、さらなる戦力アップもありそうだ。

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