全日本バレーボール高校選手権大会(通称・春高バレー)は来年1月5日、東京体育館で開幕する。2年連続7度目の出場となる男子の道科学大高は、5日の初戦で鎮西学院(長崎)と対戦。上位進出へ、オポジット(OP)佐藤ラニ海(3年)と183センチの大型セッター加納匡崇(3年)がカギを握る。
経験に裏打ちされた、手応えがある。道科学大高は昨年からリベロを含め5人のメンバーが残った。辻克典監督は「サーブレシーブの安定感は圧倒的に去年より増している。攻撃につながりやすい」。持ち前の攻撃力を生かす下地は整った。
カギを握るのは、190センチのOP佐藤と大型セッター加納の2人だ。かつてJ2札幌でプレーしたビジュ氏を父に持つ佐藤は「決めなきゃいけないと気負いすぎると、ミスにつながる。仲間に頼れるところは頼って、自分がいけると思ったらいく」とチームメートを信頼する。加納は「ラニ海が打てない状態で負けるのが一番悔しい。ラニ海が思い切り打てるトスを上げることは意識しています」とエースに託す。
厳しさも味わってきた。夏の高校総体では、全道大会決勝で札幌大谷に惜敗。最後は佐藤のアタックがミスとなり26―28で落とした。辻監督は「心のどこかにおごりがあった」。エースのミス1本が勝敗を分けることを佐藤に伝えると「確実にミスは減って波が少なくなった」(辻監督)。春高予選では、決勝での再戦となった札幌大谷を圧倒した。
初戦は鎮西学院(長崎)、勝っても東亜学園(東京)と難しい相手が続く。それでも辻監督は「チャンスはあるんじゃないかなと思ってる」。チーム結成時の目標は「春高のセンターコート(ベスト4)」。培ってきた力を信じて、全国の強豪に挑む。(山口 泰史)