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【有馬記念】山口馬木也が大穴から“真剣勝負” 超ヒット映画「侍タイムスリッパー」の主演俳優が混戦を斬る

スポーツ報知 2024年12月22日 11時30分

◆第69回有馬記念・G1(12月22日、中山競馬場・芝2500メートル)

 第69回有馬記念が22日に中山競馬場で開催される。夏の単館上映から全国規模で大当たり中の映画「侍タイムスリッパー」の主演俳優で、名前に「馬」が入っている山口馬木也(51)はハヤヤッコで“真剣勝負”する。

 穏やかな表情を浮かべていても、山口はやはり「侍」だ。競馬予想の経験はほとんどなく「この仕事が一番プレッシャー。ハードルが高いですよ」と控えめに話しながらも、出走メンバーを見る目は本気。役柄の斬られ役とは裏腹に、暮れの大一番を斬る気は満々だ。

 「競馬をやったことないって言いましたけど実は…、過去に(剣客商売などで共演した俳優で尊敬する)藤田まことさん(故人)に『マキヤ、お前もやってみるか』って言われて買って、万馬券を当てたことがあるんですよ。何のレースかは忘れましたが11番の馬。収支は今のところプラスですよ」といたずらっぽく笑う。

 映画「侍タイムスリッパー」は、評判が評判を呼び、瞬く間に全国に広まった。山口は、雷に打たれ、現代にタイムスリップする幕末の会津藩士・松平家家中高坂新左衛門を演じたが、その圧倒的な殺陣と泣き笑いのストーリーがファンの心を奮わせ、大当たりした。「もう奇跡ですよね。本を読んだ時に面白かったので何とか世に出したいなと思っていましたけど、ここまでになるとは。感謝しかないですね」

 今年、会津に足を運び松平家の墓参りに出向いた。その墓の前に松平家の愛馬の墓もあったが、手を合わせて1分もしない間に、今回の依頼が舞い込んだ。「もうびっくり。感じるものがありましたね」とまるで何かに導かれるように、有馬記念に引き寄せられてきた。

 本命は白毛のハヤヤッコだ。今回と同じ距離だった前走のアルゼンチン共和国杯は、58・5キロの酷量を背負いながらも大外から差して勝利。古豪の姿に51歳の自分を重ね合わせた。

 「私もこの年になってちょっとグッときましたが、8歳になって頑張っている姿がいいですよね。前走の内容も良かったし、まだまだやれると思います。来年1月に17年ぶりに『暴れん坊将軍』が復活しますが、将軍が乗る馬も真っ白ですからね」

 相手に指名したのはダービー馬ダノンデサイル。「3歳馬が年上の馬に挑戦するのがいいですね。今回の映画は安田淳一監督。調教師が安田さんなのも縁を感じます。マネジャーと同じ名前の高野調教師のスタニングローズが▲です」

 暮れのグランプリは、世相が反映されると言われるレース。同映画は新語・流行語大賞にもノミネートされた。「映画は『サムタイ』と言われていますので、△には3(サ)、6(ム)と、11番を。責任を取って私も必ず馬券を買いますよ。外れた時は僕も悲しいし、当たったときはともに喜びましょう。当たったらハヤヤッコに乗れないかな(笑)」

(取材、構成・松末 守司)

 【山口馬木也の印】

◎(15)ハヤヤッコ

○(1)ダノンデサイル

▲(13)スタニングローズ

△(3)アーバンシック

△(6)ローシャムパーク

△(11)ジャスティンパレス

◆映画「侍タイムスリッパー」 幕末の侍(山口馬木也)が現代の時代劇撮影所にタイムスリップし、斬られ役として生きていく物語。今年8月に都内の1館だけで公開されると、口コミで評判が広がり、全国300館以上で公開される大ヒットに。米農家でもある安田淳一監督の3作目で、カナダのファンタジア国際映画祭で観客賞金賞、プエルトリコのルスカファンタスティック映画祭で最優秀国際映画賞を受賞。報知映画賞の作品賞、主演男優賞、助演女優賞(沙倉ゆうの)にノミネートされた。

◆山口 馬木也(やまぐち・まきや)1973年2月14日、岡山県出身。51歳。京都精華大芸術学部洋画学科を経て俳優に。98年、日中合作映画「戦場に咲く花」でデビュー。映画「告白」「雨あがる」、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」「八重の桜」、ドラマ「剣客商売」シリーズなど映画、舞台、テレビドラマと幅広く活躍している。

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