◇プロバスケットボールB3リーグ・第13節 横浜107-71金沢(21日、金沢市総合体育館)
13位の金沢武士団は、71-107で首位の横浜エクセレンスに大敗した。2015年のチーム創設以来、最多の2305人の観客が訪れたが、攻守で精彩を欠いて、第4クォーター(Q)には最大43点のビハインド。強豪チームに一矢を報いることはできず、今季最多失点を喫した。松藤貴秋HCは「これだけのお客さんに来てもらったのに申し訳ないです。勝って楽しいなと思ってもらわないと、次に来てくれないと思う。一番、責任を感じています」と振り返った。
首位チームを相手に、途中までは接戦に持ち込んだ。粘り強い守備でリズムをつかみ、積極的にインサイドへの攻撃を繰り出し、第2Q終盤には36-40のスコア。しかし、接戦に持ち込みかけたところで、残り1分38秒からB3得点王のSGトレイ・ボイド3(26)に連続4ゴール(10得点)を許し、一気に差を広げられた。さらにオールコートで厳しいプレッシャーを受け、ポイントガードがボールを奪われて簡単に失点することも多発。チームでのターンオーバーは23個を計上し、徐々に点差は広がった。松藤HCは「横浜の守備は、ボールマンプレッシャーが非常に強く、連動性も高くて、ヘルプも早かった。点数が少し離れ出すと、一気に集中力が切れて、負の連鎖が起こってしまう。守備の準備もしてきたが、いい時と悪い時の差が激しかった」と指摘した。
2026-27シーズンから始まる新リーグ、Bワン入りを目指し、今季は平均入場者数1500人を目標に掲げて、観客動員を強化。12月は「クリスマス10000チャレンジ」と称し、14、15、21、22日のホーム4試合で、合計10000人の集客を目指している。スポンサー企業や行政に協力を呼びかけ、ホームゲームをアピール。選手たちも金沢駅でチラシを配り、試合会場周辺の住宅にはポスティングを行った。駅でチラシを配ったPG高橋幸大(33)は「実際に自分の足でビラを配って、発見することも多かった。今日は熱狂的な雰囲気の中でプレーさせてもらい、感謝しかないです」と振り返った。
得点ランキング3位のエース、SFスティーブン・グリーン(31)は前節で欠場していたが、この日は途中出場して11得点、3リバウンド、2アシストをマーク。チームで粘り強い守備を継続すれば、勝機も見いだせるはずだ。PG高橋は「(横浜の堅守に対して)準備はしていたが、実際は自分たちが受けて立ってしまった部分があった。しっかりゲームメークし、いいリズムで速いテンポのバスケをしたい」と決意。ホームでの応援を背に受けながら大敗の雪辱を果たす。(中田 康博)