男子第75回・女子第36回全国高校駅伝(京都)が22日に開催される。2年連続準優勝の女子・仙台育英(宮城)は、3年ぶりVへ細川あおい主将(3年)に“鬼門”のアンカーを託した。過去2年は最終5区で逆転を許し、昨年は1秒差で涙。今年は主将の力走で頂点を目指す。レースに先立ち、21日には開会式が行われた。
1秒の重みを忘れない。「メンバー全員がレースに向けてしっかり状態を合わせてきた。優勝を狙えます」と話した仙台育英・細川主将は、「去年1秒の重みを感じた分、細かい部分を意識しながら一人一人頑張ってきた」と言葉をつないだ。昨年大会は4区終了時で首位も、最終5区で神村学園に1分20秒差をひっくり返され、1秒届かず2位に終わった。その悔しさを胸に1年間頑張ってきた。
プレッシャーのかかるアンカーに釜石慶太監督が指名したのは、「3年間チームを支えてくれた大功労者」と高く評価する細川主将だった。昨年大会は1区3位。しかし2年前の22年大会でアンカーを務め、首位でタスキを受けたが長野東に抜かれて2位に終わった。悔しさを味わった主将は「(2年前は)中間点辺りからペースが落ちてしまった。今年は粘ってペースを落とさず進められたら、いいタイムで来られるし優勝もできる」と2年前の反省を生かすと意気込む。過去2年逆転を許した最終5区だが、今年は先頭で走りきるつもりだ。
ルール改正により、今年から外国人留学生の起用が3キロ区間(女子は3、4区、男子は2、5区)に制限された。影響が懸念されるが、指揮官は「選手層の厚さを示せる。私としては戦いやすい」と自信をのぞかせた。最長区間(6キロ)の1区には3年連続の都大路となる長岡みさき(3年)を配置。序盤は粘り強く走り、デイシー・ジェロップ(3年)を置いた3区以降の後半でリードを奪いたい。
「昨年、一昨年とあと一歩で届かなかった優勝を、三度目の正直でつかみたい」と力強く語った細川主将。必ず先頭でゴールテープを切り、3年ぶりの日本一を全員で喜ぶ。(有吉 広紀)
◆女子・仙台育英の過去2大会VTR
◇22年大会 1区から4区まで全員が区間2位の安定した走りで、アンカー細川が2位長野東と13秒差でスタート。だが中盤で抜かれるとその後も差を広げられ、14秒差の2位に終わった。
◇23年大会 4区まで全員が区間3位以内。1位でアンカー・橘山莉乃(現ユニバーサルエンターテインメントAC)にタスキをつないだ。だが3位でスタートした神村学園のカリバ・カロライン(現日本郵政グループ)の猛追を受け、残り約100メートルで逆転。1分20秒差を守れず、1秒届かずに2年連続の2位となった。
〇…男子・学法石川 昨年大会で1年生ながら最長区間(10キロ)の1区で5位に入った増子陽太(2年)が、さらに成長した姿を見せる。4月のU20アジア選手権(UAE)の3000メートルで金メダルを獲得。夏場はけがもあったが復調してきた。今年は1区ではなく、2番目に長い3区(8.1075キロ)を走る。「チームのエースとして引っ張る走りができたらいい」と力強く語った。
〇…男女・東北 地区代表枠で男子は9年ぶり28度目、女子は21年ぶり2度目の出場。男女同時出場は初めてだ。渋谷武彦監督は「男女とも1区がペースをつくってほしい。男子は15位前後、女子は20番台を目指してほしい」。久しぶりに都大路を走る選手たちに期待を寄せた。