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大勢が今永と初合同自主トレ マル秘呼吸法学んだ 守護神の座「そう簡単に譲れないな」

スポーツ報知 2024年12月23日 5時0分

 巨人の大勢投手(25)が22日、米大リーグ・カブスの今永昇太投手(31)と合同自主トレを行っていることを明かした。今季メジャー1年目ながら15勝を挙げた左腕の呼吸法や体の使い方を習得し、「胴上げ投手」となることを目指す。来季は前中日のライデル・マルティネス投手(28)が加入。阿部監督は「8回・大勢、9回・マルティネス」の構想を明かしているが、都内で行われたトークショーで「諦めていない」と改めて守護神争いに打ち勝つことを宣言した。

 大勢は堂々と来季の目標を記した色紙を掲げた。都内のホテルで行われたクリスマストークショーで「胴上げ投手」と目標を記した右腕。「僕自身(監督から)8回と直接言われていない。記事で見ただけなので。予定は未定なので、ライデルも人間ですし、何があるか分からない。僕は諦めていない。自分自身のレベルも上がりますし、ライデルを超えて9回を投げられたら自信にもなると思う」。4年総額50億円超の大型契約で加入する今季のセーブ王に輝いたマルティネスに真っ向勝負をたたきつけた右腕の姿に集まったファンからは大きな拍手が送られた。

 ライバルに打ち勝つためにも、今永流呼吸法を習得する。今オフはWBCでもチームメートだったカブスの今永と都内のトレーニング施設で初めて合同自主トレを実施。「僕は大きい筋肉を使って頑張る癖があるので、呼吸法や体の仕組みを理解して投げないと、けがしたり同じ過ちになるなと思ったので、今永さんにお願いしました」。今季は守護神として43試合に登板して1勝2敗29セーブ、防御率0・88をマークしてリーグ優勝にも大きく貢献したが右肩の違和感で途中離脱もあった。詳細は企業秘密としたが「僕のフォームとしておなかが抜けやすいのでしっかり呼吸を止めたり、肋骨(ろっこつ)だったりが安定してくるので、けがのリスクが減る」と今永流の呼吸法でけが防止に努め、来季はフル回転を目指す。

 技術だけではなく哲学者的な考えも学んでいる。「今永さんはマインドが素晴らしくて、僕と似ているんです」とにっこりと笑った背番号15。中でも「人生は最高の暇つぶしだ」という今永の考え方に驚いたという。「僕たちは野球をする中でうまくなりたい、という思いはありますけど、一喜一憂せずに淡々とやるべきことをやっている。野球が好きだから、やっているという感じですね」。師匠とともに、当たり前のように淡々とトレーニングに打ち込んでいる。

 ルーキーから自らの力でつかんだ守護神の座。ライバル出現に「自分としてもライデルよりすごいと思っていない」と語りながらも「燃えますよね。最終的に日本一になれればいいんですけど、でもやっぱり今までやってきたという自負があるので、そう簡単に譲れないなっていう熱い気持ちもあります」。巨人の守護神としてのプライドは健在。メジャー1年目で15勝を挙げた左腕からの学びを胸に、真っ向勝負を挑む。(水上 智恵)

 ◆今季の今永 カブス加入1年目ながら、日本人左腕の1年目では最多の15勝(3敗)を挙げ、防御率はリーグ3位の2.91。新人王投票で4位、サイ・ヤング賞投票で5位に入る大活躍を見せた。直球の平均は147.5キロほどで決して速くなかったが、高めを有効的に使った制球力と、低めに沈むスプリット(チェンジアップ)、スライダーなどを組み合わせる巧みな投球術で、MLBのパワーヒッターを手玉に取った。

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