◆レスリング◇全日本選手権 最終日(22日、東京・代々木第二体育館)
女子53キロ級は清岡もえ(育英大)が頂点に立った。決勝は弓矢紗希(日体大)に9―0で快勝。55キロは2度制しているが、53キロ級での初優勝に「パリ五輪には行けなくて、切り替えて次の(28年)ロサンゼルス五輪を目指している。オリンピック階級の53キロ級で今回優勝することは、まずスタート地点に立つために絶対に達成したい目標だった」と胸をなで下ろした。
今夏のパリ五輪は53キロ級で目指したが、藤波朱理(日体大)に及ばず、代表を逃した。10月の非五輪階級の世界選手権では55キロ級で優勝。今大会も55キロ級で出場する考えもあったが「これから五輪に向けてやっていくことを考えた時に、減量のこととかもあるので、そういう面で慣れていくことが大事だと思った」。早い段階で五輪階級でスタートを切り、今後も53キロ級に専念するつもりだ。
パリ五輪は女子57キロ級の桜井つぐみ(育英大助手)のスパーリングパートナーとして現地に同行した。桜井や兄で男子フリースタイル65キロ級の清岡幸大郎(三恵海運)の金メダル獲得の瞬間を見届けた。「すごいうれしい気持ちもあったけど、自分が五輪に行けなかった悔しさもあった。身近な先輩が活躍するのを見て自分でも不可能ではないと思えて、すごくいい刺激になった」と振り返った。
53キロ級の金メダリストの藤波は、ロス五輪は57キロ級で目指す意向を表明している。だが「藤波選手が抜けたからというのは関係なく、自分に合った階級が53。ロスは絶対に自分が行くという強い気持ちを持って、さらに強くなって金メダルを取る」。兄と兄妹で目指す4年後の舞台へ、覚悟の表情だった。