漫才日本一を決める「M―1グランプリ2024」の決勝が22日、テレビ朝日系で生放送され、昨年のチャンピオン「令和ロマン」がM―1史上初の連覇を果たした。
過去最多の1万330組がエントリーした大会で前人未到のV2を決めた瞬間、2人は天を見上げ感無量の表情を浮かべた。高比良くるま(30)が「去年の倍うれしい」と感情を爆発させると、松井ケムリ(31)も「もう出たくないです!」とプレッシャーから解放された様子で叫んだ。
ファーストラウンドでは、出番順を決める笑神籤(えみくじ)を担当したパリ五輪柔道男子66キロ級金メダリスト・阿部一二三(27)が2年連続のトップバッターを引き当てるドラマチックな展開。くるまは放送後の会見で「まさか2年連続とは。『ひふみん!』って思いました」と苦笑した。
重圧がかかる中、くるまは「終わらせにきました」とツカミで空間を掌握。席替えネタで高得点をマーク。バッテリィズ、真空ジェシカと争った最終決戦では戦国時代にケムリがタイムスリップしたコント風漫才を披露。1本目とテイストを変える引き出しの多彩さで王者の風格を見せた。
徹底したネタ分析で優勝をさらった昨年だったが、くるまによると今年は「小手先のことを考えるより自分たちを高める方が勝率が高いと判断した」。YouTubeや劇場にも積極的に出演し勝てるネタを追求した。昨年の優勝賞金1000万円は全額くるまが手にしたが、今年は全額ケムリの元に。ケムリは「何とかトントンにできました」と笑みを見せていた。
〇…審査員は、例年の7人から2人増えて9人に。M―1が一時休止し、5年のブランクを経て復活した2015年の第11回大会以来、9年ぶりの態勢となり、アンタッチャブル・柴田英嗣(49)、かまいたち・山内健司(43)、オードリー・若林正恭(46)は初の審査員を務めた。ダウンタウン・松本人志(61)は今年は審査員を外れ、“定位置”だった右端の席には、中川家・礼二(52)が座った。
◆令和ロマン
▼高比良(たかひら)くるま 1994年9月3日、東京都練馬区出身。30歳。趣味はビールを飲むこと。ボケ担当。
▼松井(まつい)ケムリ 1993年5月29日、横浜市生まれ。31歳。趣味はカブトムシ・クワガタの養殖。ツッコミ担当。
慶大お笑いサークルの先輩後輩で、NSC東京校23期生。2018年4月結成。20年NHK新人お笑い大賞で大賞。今年ABCお笑いグランプリでも優勝。