歌手・石川さゆり(66)が、大みそかの第75回NHK紅白歌合戦(午後7時20分)で「能登半島」を歌唱することが22日、分かった。
紅組最多記録を自ら更新する47回目出場の石川が、東京・渋谷区のNHKホールから被災地に歌で元気を届ける。石川は2007年から「津軽海峡・冬景色」と「天城越え」を交互に歌唱。“順番通り”なら今年は「天城越え」の年だった。ただ、両曲共に13回歌唱していること、元日の地震と9月の豪雨で大きな被害を受けた石川の被災地への思いを考慮し「能登半島」を03年以来、21年ぶりに歌唱することになった。
「津軽―」と「天城越え」は、いずれも紅白で人気の楽曲。どちらかを聴かないと年を越せないと感じている視聴者も少なくない。21年には「津軽―」に加え、ラッパー・KREVA(48)、ギタリスト・MIYAVI(43)と「火事と喧嘩(けんか)は江戸の華」も披露したことがあったが、今年はあえて「能登半島」のみに絞って歌う。
17年間も続いた“伝統”を断ち切ることに関して、NHK関係者は「被災地への思いに専念するため『能登半島』のみの歌唱となった。もちろん、紅白ファンの思いも考えて調整を進めてきたが、最終的には能登へエールを届けるという決断に至った」と説明した。番組の終盤にパフォーマンスすることも決まっているという。
〇…他の女性演歌勢も能登へ思いを届ける。坂本冬美(57)は、石川・輪島市から生中継で「能登はいらんかいね」を歌唱することがすでに発表されている。当日は、地元住民を前に伝統芸能・御陣乗太鼓(ごじんじょだいこ)保存会のメンバーとパフォーマンスを披露する。