高校野球で活躍した仙台育英(宮城)の佐々木広太郎投手(3年)が中大に合格したことが22日までに分かった。最速146キロ右腕の佐々木は、オリックスにドラフト3位指名された同期・山口廉王投手(3年)に刺激を受け、4年後のプロ入りを目指す。
佐々木は“戦国東都”の中大で腕を磨く。今年の全日本選手権では東都リーグの青学大が2連覇を果たしており「日本一レベルが高いとも言えるリーグ」。中大について「学年関係なく、仲が良く、皆が野球に向かって同じベクトルを向いて戦っている」と雰囲気に魅力を感じ、進学を決意した。
入学時は野手兼任も、1年の6月から投手に専念。23年春のセンバツで初めてベンチ入りすると、龍谷大平安(京都)との3回戦(6〇1)で甲子園デビュー。公式戦初登板の初球で本塁打を浴び、「元々負けるのが嫌いだった」と火が付いた。実は「昔は毎日お菓子を食べるのが大好きだった」と入学当初は体重104キロ、体脂肪も30%弱。「勝つためには体づくりから」と大好きなポテトチップスやアイスをするめに代え、成分表示を見るなど意識から上を目指した。
順調だった3年春には練習試合の打席で右手中指を骨折し、全治3か月の不運にも見舞われたが、記録員としてベンチ入りし「仲間の成長を冷静に見つめることができた」と前向きに捉え、夏は再びマウンドに立った。引退後は再現性を大切に、メディシンボールなどで安定した投球動作を目指し、紅白戦では最速を1キロ更新する146キロをマークするなど日々成長を続けている。
今年のドラフト当日、同期・山口の指名を見届け、写真撮影では山口を肩車した。「山口のご両親が涙を流しているのを見て、自分もそうやって涙が出るくらい親を感動させられる職に就きたいなと。それってやっぱりプロ選手なんだと、もう一度強く思えた」。新たな舞台で「直球の精度も上げて、内外をしっかりどれだけ突けるかが勝負。勝てるピッチャーになって、まずは高校で達成できなかった日本一を目指します」。今度は自分が仲間に肩車される日を夢見て、腕を磨く。(秋元 萌佳)
◆佐々木 広太郎(ささき・こうたろう)2006年8月5日、北海道・別海町生まれ。18歳。別海中央小2年から別海中央ジュニアイーグルスで野球を始め、別海中央中では軟式野球部に所属。仙台育英では2年春のセンバツで初のベンチ入り。184センチ、95キロ。右投右打。