巨人の秋広優人内野手(22)が23日、オーストラリア・ウィンターリーグ(WL)での経験と収穫を激白した。22日に自身の出場を終え、23試合で打率3割2分1厘、2本塁打、8打点の好成績をマーク。日本とは異なる環境で培ったハングリー精神を携えて、来季はレギュラーの座を奪取するべく意欲を燃やした。
秋広は刺激的で実りのある時間を過ごした。オーストラリア・WLにアデレード・ジャイアンツの一員として11月から1か月以上参加。異国での貴重な体験を充実の表情で振り返った。
「日本と違う環境でプレーできることはなかなかない。異なる環境でやりきれたことは一番良かったですし、心も体も成長できていい経験になった」
同リーグでは23試合に出場して、打率3割2分1厘、2本塁打、8打点。渡豪前に掲げていた「強いスイング」を心がけ、追い込まれてからは粘り強く対応した。
「基本的にはしっかり強く振ることはできた。その中で自分で考えて状況に応じてやれた。日本で見ない直球の質や軌道の投手と対戦したことも貴重だった」
グラウンドの天然芝は見た目以上にボコボコで、ナイター照明は日本よりも薄暗い。時に40度近い気温の中での試合もあった。ナイターでの試合後は周辺の飲食店が閉まっており、食事の確保にもひと苦労。そんなタフな環境で己を磨いた。
「気温も違いますし、国内移動でも時差がある。ビジターは全部飛行機での移動で、着いて1、2時間で試合とかもあった。そういう過酷さを経験して日本は恵まれていると感じました」
当初は言語の壁に苦労したが、積極的な姿勢で打ち解けた。チームメートからは「アキ」と親しげに呼ばれながら会話。新しい価値観や考えに触れた。
「最初は自分からしゃべりかけられなかったけど、歩み寄ってくれた。細かい話は通訳さんにお願いしながらですけど、通訳さんなしでも何を伝えようとしているかとかは分かるようになってきた。チームメートも顔のパーツを全部日本語で覚えてくれたりして、ナイスガイの集まりでした」
試合日でもトレーナーと現地のジムに足を運び、トレーニング。成長するために時間を無駄にしなかった。
「野球漬けの生活でしたね。オーストラリアらしいことは休みの日に動物園にいってカンガルーとコアラをみたくらい。でも暑すぎて動物たちもくたびれてました」
外野のレギュラーを巡った争いは激しい。来季は春先からアピールしなければならない立場だ。
「11、12月に実戦ができたのは貴重ですし、キャンプの入り方も変わってくる。残りのオフの期間を無駄にすることなく、自主トレも頑張っていきたい」
培ったハングリー精神を胸に、シビアな生存競争を勝ち抜く。(宮内 孝太)