DeNA・浜口遥大投手(29)とソフトバンク・三森大貴内野手(25)のトレードが成立し、両球団が23日に発表した。内野手の層を厚くしたいDeNAと投手陣の強化を図るソフトバンクの思惑が合致した。
浜口は16年ドラフト1位でDeNA入り。1年目の17年から先発で10勝を挙げ、球団では59年ぶりとなる新人左腕の2ケタ勝利を達成した。しかし、2年目以降は伸び悩み、今季途中には球団へ中継ぎ転向を直談判していた。球団を通じて「びっくりした思いと、ここ数年はトレードもあるかもという覚悟はありました」などとコメントした。
今オフ、DeNAにとっては、現役ドラフトでソフトバンクへ移籍した上茶谷に続くドラ1の放出となったが、出血覚悟でも内外野を守れるユーティリティーの三森獲得がもたらす影響は大きい。一塁のオースティンは故障離脱が多く、三塁を守るベテランの宮崎もナイター翌日のデーゲームでは休養することも少なくなかった。三森が三塁に入れば宮崎を、二塁に入れば牧が一塁に回り、オースティンをそれぞれ休養させることもでき、柔軟な布陣を組むことが可能になる。
ソフトバンクにとっても、狙い通りのトレードとなった。和田の引退、石川のロッテへのFA移籍に伴い、「先発投手の整備」が今オフの補強テーマ。特に先発左腕はモイネロと大関だけで、救援左腕も今季ほぼ1年を通して投げたのはヘルナンデス、長谷川しかいない。みずほペイペイで取材に応じた三笠GMは、先発か救援かの適性は加入後に見極めるとしたが、タフネスさも武器の浜口を「貴重な左投手」と評し、大きな期待をかけた。
電話報告受け康晃がエール DeNA・山崎が移籍する浜口に「寂しいけど、彼なら絶対やってくれる」とエールを送った。電話で報告を受け、「わくわくしているような感覚で話していた」と様子を明かした。この日は都内の小学校で行われた日本サッカー協会と日本プロ野球選手会の共同イベント「夢の教室」で「夢先生」として登壇。「交流戦で会えるので、僕ら、彼の夢への挑戦は終わらない」と再会を心待ちにした。
◆浜口 遥大(はまぐち・はるひろ)1995年3月16日、佐賀県出身。29歳。三養基から神奈川大を経て16年ドラフト1位でDeNAに入団。1年目の17年に10勝(6敗)を挙げ、日本シリーズでは8回1死まで無安打投球を披露し、新人特別賞。173センチ、80キロ。左投左打。
◆三森 大貴(みもり・まさき)1999年2月21日、埼玉・越谷市出身。25歳。青森山田3年春に堀岡隼人(DeNA)とともに甲子園出場。16年ドラフト4位でソフトバンクに入団。20年にウエスタン・リーグ首位打者と最高出塁率。186センチ、76キロ。右投左打。