史上初めてゴルフのジュニアメジャー4冠を達成し「天才少女」と呼ばれる須藤弥勒(13)=ゴルフ5/太陽自動車=が、飛距離アップのために最新のケーブル式トレーニングマシンを約65万円で購入したことが23日、分かった。
父・憲一さん(51)は「実は先月、極秘でフィリピン合宿を行ったのですが、ホテルにあったケーブル式のトレーニングマシンを毎日、活用していたら、ヘッドスピードがどんどん伸びて驚きました。弥勒と『帰国したらすぐに購入しよう』と話し、ようやく同型のトレーニングマシンが見つかって喜んでいます」と明かした。設置費などを含めて約65万円を要したが、計16社から推定総額3億6000万円以上のスポンサー支援を受けている弥勒にとっては必要な先行投資。弥勒は「スポンサー料はゴルフのために大事に使わせてもらっています。スポンサーの皆様に改めて感謝します」と頭を下げて話した。
元々、須藤家には多くのトレーニングマシンがそろっていたが、ケーブル式のマシンの導入は初めて。「ゴルフだけのために必要な筋肉をピンポイントに鍛えることができます。頭上に持ち上げる系統のマシンではないので、身長が伸びる妨げにならないと考えています」と憲一さんは説明する。弥勒は現在、成長期で、最近の3か月で3センチも身長が伸びたという。
「食事をしっかり取ってもっと体を大きくします。そして、正しいトレーニングをして、来年はドライバーの飛距離を30ヤード伸ばして、日本女子プロツアーで予選通過を目指します」と弥勒は意欲的に話す。
日本女子プロツアーでは2017年に13歳以上という年齢制限が設けられる以前には2011年の大王製紙エリエールレディスで松原由美が12歳270日で予選通過した例があるが、現行制度としては21年のスタンレーレディスで、14歳91日で予選通過した新地真美夏が最年少記録。今年の8月6日に13歳となった弥勒は年齢の出場資格を満たし、ニトリレディス(8月22~25日、北海道・桂GC)とゴルフ5レディス(8月30日~9月1日、岐阜・ゴルフ5CみずなみC)の連戦でツアーデビューしたが、いずれも予選落ちを喫した。来年の11月第1週までに予選通過すれば、現行制度としては史上最年少記録を更新できる。
「来年、現行ルールとしてはツアー史上最年少予選通過を更新したい。『須藤弥勒、ここにあり!』と叫びたいです」。弥勒は早くも新年の目標を高らかに宣言した。
◆須藤 弥勒(すとう・みろく)2011年8月6日、群馬・太田市生まれ。13歳。1歳からゴルフを始め、東大出身の父・憲一さんの緻密な指導を受ける。17年に大会史上最年少で世界ジュニアに優勝。18年も連覇した。19年にマレーシア世界選手権、21年にキッズ世界選手権、22年6月にジュニア欧州選手権優勝し、ジュニアゴルフ界の4大メジャーを制覇。22年8月に横峯良郎氏に弟子入り。22年1月からアマチュアも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になったことで、ダブル所属契約のゴルフ5と太陽自動車をはじめ計16社に推定総額3億6000万円以上の支援を受けている。家族は父、元フィギュアスケート選手でピアニストの母みゆきさん、兄・桃太郎君、弟・文殊君。