今年レスラーデビュー50周年を迎えた「邪道」大仁田厚(67)が来年2月23日、東京・新木場1stRINGで開催されるバリアフリープロレスHEROの旗揚げ15周年記念大会に電撃参戦することが24日、分かった。
大仁田の同団体への出場は今年4月27日の新木場大会以来、10か月ぶり3度目となる。
同団体は新日本プロレス黎明期に練習生として在籍しながらも耳にハンデがあるため、デビューがかなわなかったヤミキさん(故人)が設立。聾(ろう)レスラーが闘う場として2010年2月20日に新木場で旗揚げ。新日でデビューできなかったヤミキさんはHEROで念願のプロレスラーになる夢を果たした。
当初、同団体は「聴覚障害者と健常者の架け橋になるようなプロレスイベント」を標榜も16年春にヤミキさんが急逝。これを契機に「バリアフリープロレスHERO」に呼称を改め、健常者のプロレスラーも所属。これに伴い、聴覚障害者に限らず視覚障害者や車イスでの生活を余儀なくされている人始め、一般のプロレスファン、プロレスを見たことがない人など幅広く誰もが楽しめるイベント運営に転換した。
聴覚障害のある観客のために受付やリング4方向に手話通訳を配置し、リング上でのあいさつやマイクアピールなどを手話で説明。会場内には大型スクリーンを設置。字幕をつけ、映像での演出に力を入れている。視覚障害者向けとしては無料でラジオを貸与し、実況・解説を流し、車イスの人にはバリアフリーに対応した会場での興行開催を行うなど工夫を凝らしている。
大仁田はHEROに16年11月5日、新木場で行なわれた「ヤミキ追悼興行」に初参戦。当時の同団体はヒールユニット・ワイルド軍が猛威を振るい、HERO本体から運営権を強奪し、「WILD HERO」として開催されていた。その窮地に大仁田が助っ人参戦し、ワイルド軍を制して運営権を奪還。長年にわたって抗争を繰り広げてきた正規軍とワイルド軍の間に入り、和解させた歴史がある。
大仁田はヤミキさん、大仁田の愛弟子ワイルド・セブンさん、ワイルド・シューターさんの追悼大会として実施された今年4月27日の新木場大会に8年ぶりに参戦。大暴れを見せた。
2・23新木場での興行は区切りの旗揚げ15周年記念大会とあって、大仁田自ら友情参戦を熱望。「盟友」雷神矢口(怪獣プロレス)、パンディータ(HERO)とのトリオで、ターザン後藤さんの薫陶を受けてプロレスラーになったガッツ石島(TTT)、洞口義浩(フリー)、瀧澤晃頼(TTT)と激突する。
試合形式は未定ながら大仁田が出場する以上、ハードコアスタイルになることが濃厚だ。