第103回全国高校サッカー選手権(東京・国立競技場など)は28日に開幕。「とうほく報知」では随時、東北の代表校を紹介する。第1回は10年ぶり2度目の出場となる東海大山形。今大会限りでサッカーを辞めるGK三沢幹大(3年)を中心に同校初、県勢では18大会ぶりの初戦突破を目指す。
人生最初で“最後”の選手権に向け、気持ちは高ぶっている。三沢は「高校でサッカーを辞める。サッカー人生最後の大会になりますけど、そんなに気負うことはない。ワクワクの方が大きいです」と意気込んだ。
背番号「1」の守護神の身長は171センチ。「自分のサッカー人生、ここで区切った方がいいかなとも思ったし、キーパーでこの身長もありますし…。悩んだんですけど決断しました」。具体的な将来像については定まっていないが、経営者を目指すため、高校卒業後は大学で経営学や経済学について学ぶ予定。選手権を最後に新たな一歩を踏み出す。
チームは県大会全4試合を無失点で優勝。三沢も正GKとして最後尾からチームを支え、羽黒との決勝戦(1―0、NDスタ)では7本のシュートを浴びながらも、俊敏な動きでゴールを守り切った。五十嵐直史監督(57)も「やられたというシーンでもピンチを救ってくれるし、攻撃の起点にもなってくれる。彼の存在は大きい」と絶大の信頼を寄せている。
選手権では「自分らしさを出す」をテーマに掲げた。持ち味は正確なキック。中学生の時には、セービングなどGKの基本練習よりも取り組み“攻撃の第一手”になってきた。「ゴールキックやパントキックから、どんどんチャンスも演出したい」。攻守両面での活躍を目指す守護神は「キーパーとして失点したくないという気持ちは人一倍ある。県勢は17大会連続で勝てていない。山形県民の方の気持ちを背負って頑張りたい。目標はベスト16です」と言葉に力を込めた。守備から流れを作って同校初勝利を挙げ、新たな歴史を刻む。(太田 和樹)