◇バスケットボール全国高校選手権・第4日▽男子3回戦 延岡学園(宮崎)81―67美濃加茂(岐阜1位)(26日、東京体育館)
延岡学園が今年のインターハイ準優勝校に勝利し、5年ぶりの8強進出を決めた。ポイントガードの木村俊生(としき、3年)は先発出場し、8得点3アシストを記録。プロ野球・巨人などで活躍した故・拓也さんを父に持つ司令塔が連日、チームに貢献した。2回戦勝利後、「受け身にならないプレーをしたい」と話しており、「ディフェンスでも前からしっかり当てていけた。インターハイ準優勝校に勝てて、とてもうれしい」と試合を振り返った。
第1クオーター(Q)は19―19と互角な滑り出し。第2Qを終え、42―34とリードして折り返した。延岡学園はハーフタイムに入ると、約5分間、コートを離れて綿密なミーティングを行った。「受け身になったり、ミスが起きた時に下向かないように、全員で声をかけようという話をしていた」という。第3Qでは木村がレイアップシュートを2本決めるなど、24点を奪い66―48とリードを広げた。最後までリードを守り切り、強豪校を撃破した。
コートサイドには渡辺雄太(千葉J)の姿もあった。延岡学園の好プレーに大きな拍手や声援を送っていた。楠元龍水監督と香川・尽誠学園時代に3年間チームメートだった縁で応援に駆けつけた。元NBAをプレーヤーを前に木村は「楠元先生のためにもいいプレーをして、渡辺雄太さんに見てもらえるように頑張りました」とエールが力になっていたという。試合前には渡辺から「強気のプレーは大事。自分たちのディフェンスは、全国に数少ないと思うから、そういうところは強みだと思う」と激励を受けて、コートに向かった。
これまでも何度か、渡辺が校内での練習に足を運ぶことがあった。その中で一番学んだことはワークアウトだと話す。「相手がいない中でも、ボールの位置をちゃんと考えてやっていた。上に上がる選手は、練習外のワークアウトの部分でも、意識していたり、こだわっている部分があるんだな」と刺激を受けた。
12年ぶりの優勝へ、残すは3試合。準々決勝の相手は鳥取城北に決まった。「今大会はこうアシストを多くできているので、そういったところは続けていきたい。強気のレイアップもアシストにつなげるためにも大事になってくる。強気のプレーをしていきたい」と次戦へ意気込んだ。渡辺は「明日も来ます」と識見へ向け宣言。トッププロもみ方につけ、勝ち上がりを目指す。