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青学大の登録外メンバーが「箱根駅伝0区」を力走 飯田翔大ら1年が上位独占「次回は必ず走ります」

スポーツ報知 2024年12月26日 17時0分

 第101回箱根駅伝(来年1月2、3日)で2年連続8度目の優勝を目指す青学大は26日、相模原市の相模原キャンパス陸上競技場で、16人の登録メンバーから外れた選手による1万メートル学内記録会(非公認記録の手動計測)を行った。飯田翔大(かいと、1年)が公認の自己ベスト記録(29分12秒87)を約15秒上回る28分57秒6でトップを取った。2位の橋本昊太(1年)も公認の自己ベスト記録(29分25秒88)を超える29分9秒5でゴール。3位は29分18秒9で遠藤大成(1年)。上位をルーキーが独占した。飯田は「次の102回箱根駅伝は必ず走ります」と言葉に力を込めて話した。

 箱根駅伝直前の年末。青学大をはじめ各校で行われる登録外メンバーによる記録会は、登録メンバーに勢いを与えるという意味で「箱根駅伝0区」と呼ばれる。3年生以下は来季以降の飛躍につなげ、4年生は最後の意地を見せるレースでもある。

 青学大では、15年大会で初優勝のゴールテープを切りながら翌16年大会では登録メンバーから外れた安藤悠哉(当時3年)が15年12月の1万メートル学内記録会で当時の「0区区間新記録」となる29分7秒0で力走。翌年度、主将に就任した安藤は17年大会で再びアンカーを務め3連覇のゴールテープを切ったという“伝説”が残る。21年12月には目片将大(当時3年)が、非公認記録ながら当時の自己ベスト記録(28分53秒40)を超える28分45秒0の「0区区間新記録」をマーク。翌年度、4年生となった目片は主力に成長し、出雲駅伝、全日本大学駅伝、箱根駅伝でいずれも1区を担った。

 今回も熱いレースが行われた。「箱根駅伝0区、行きましょう!」原晋監督(57)のかけ声のもと20人が勢いよくスタート。主将の田中悠登(4年)、トリプルエースの太田蒼生(4年)、鶴川正也(4年)、黒田朝日(3年)ら登録メンバー16人は「0区」を懸命に駆けるチームメートを応援した。

 5000メートルを14分23秒で通過した後、トップ争いは1年生3人に絞られた。主将の田中は「飯田、橋本、遠藤、強いぞ! 次の箱根駅伝は走るぞ!」と熱いゲキを飛ばした。

 残り約2000メートルで飯田が抜け出し「0区区間賞」を獲得。非公認記録ながら自身初の28分台をマークした。「きょうは絶対に28分台を出してトップを取るつもりでした」と充実した表情で話した。

 飯田は鹿児島・出水中央高3年時に5000メートルで日本高校歴代4位(当時、現5位)13分34秒20をマーク。大物ルーキーとして入学したが、夏以降、故障と体調不良に苦しんだ。「夏にコロナウイルスに感染して練習を中断してしまい、秋には左大腿(だいたい)骨を疲労骨折して、メンバー選考の世田谷246ハーフマラソンに出場できませんでした」と試練の1年目を振り返る。

 今回の箱根駅伝では安島莉玖、小河原陽琉、黒田然、佐藤愛斗と4人の1年生が登録メンバー入りした。飯田は「期待されて入学して、メンバーに入れなかったことはやはり悔しい」と率直に話す。その上で「今回の箱根駅伝では全力で選手をサポートして、その後のハイテクハーフマラソン(来年1月12日、東京・荒川河川敷公認コース)から全力で記録を狙っていきます。次の102回箱根駅伝は必ず走ります。1区を走りたいです」と目をギラギラさせて話した。

 原監督は飯田ら上位で健闘した1年生について「この0区で頑張れる選手は来季以降、期待できます」と高く評価した。練習終了後、田中主将は「0区に向けてチーム全員で取り組んできました。これからは16人の登録メンバーが状態を上げて箱根駅伝優勝に向けて頑張りましょう」とチーム全員に呼びかけた。

 今季の学生3大駅伝では初戦の出雲駅伝(10月14日)、第2戦の全日本大学駅伝(11月3日)はいずれも国学院大が優勝、駒大が2位、青学大が3位だった。両駅伝で上位6校の順番は全く同じ(出雲5位の米国アイビーリーグ選抜を除く)で4位に創価大、5位に早大、6位に城西大が続く。最終決戦の箱根駅伝も3強を中心に激しい優勝争いが繰り広げられそうだ。

 原監督は今大会に向けて「あいたいね大作戦」を発令。「優勝にあいたい。優勝してチーム全員で笑顔で喜びあいたい。いつも応援してくれる家族、ファン、スポンサーの皆さんと喜びあいたい」と笑顔で話す。ただ、その後、真面目な表情になり、続けた。「現時点で『あいたいね指数』は80%まで上がっています。ただ、直前にチームのひとりでも感染症にかかると大ダメージを受け、指数は下がる。インフルエンザも流行しているので、十分に気をつけたい」と話した。

 101回目の継走まで、あと1週間に迫った。

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