俳優の寺尾聰(77)と松坂桃李(36)が、主演を務める映画「父と僕の終わらない歌」(小泉徳宏監督、来年5月23日公開)で親子役を演じることが26日、分かった。イギリスの実話をもとに、アルツハイマーの父(寺尾)が、息子(松坂)や友人に支えられながら若き日に諦めたレコードデビューの夢に挑む。
09年「さまよう刃」以来、16年ぶりに映画で主演を務める寺尾は、楽器店を営む父親を演じ「俳優と歌手人生が初めて交わる、自分にとってメモリアルな作品」と万感の思いを告白。当初は出演に迷いもあったが、「息子役が桃李と聞いて、桃李とならやってみたいと、だんだんと心が動いていきました」と明かす。
松坂は、寺尾とは13年WOWOWドラマ「チキンレース」などで共演はあるものの、親子役は初めて。「寺尾さんの息子を演じられたことは本当に誇りです。いつも優しく包み込んでくれて、一緒にお芝居すると瞳に吸い込まれそうになる、そんなすてきな方です」と魅力を語る。
横須賀を舞台に、親子が起こす奇跡を描いた本作を、寺尾は「この年でこんなにも情熱を注げられるものに出会えたことに感謝しています」と充実の表情。松坂も「この映画は、皆さん自身の家族の物語です。希望を感じてもらえる瞬間がありますように」とアピールしている。女優・松坂慶子(72)、俳優・佐藤浩市(64)らも出演する。