第103回全国高校サッカー選手権(東京・国立競技場など)は28日に開幕。東北学院(宮城)は橋本俊一監督の息子で正GKの橋本脩礼(しゅうれい、3年)が、抜群のシュートストップで42大会ぶりの白星を目指す。
一戦に全力をかけ、37大会ぶりの全国大会で名をとどろかせる。東北学院の目標はベスト8。だが、副主将として、守護神として最後方からチームを支えるGK橋本は目前の一戦に向け、気を引き締める。「ベスト8に目標を置くと最初でつまずく。初戦に全部を懸けて、一戦必勝という言葉の重みを感じながら戦いたい」と、まずは同校として42大会ぶりの白星を目指す。
幼稚園からサッカーを始め、元々はフィールドプレーヤーだった。だが、父・俊一監督も通っていたスポーツ少年団で、父の教え子でもある当時の監督が「お父さんもGKをやっていたし、やってみたら」とのアドバイスを機に、小学3年生からGKへ転向。Jリーグのチームからスカウトがあったほど現役時に活躍した父の存在には「刺激を受けている」という。
中学時から自主練でシュートストップを徹底して磨き、ストロングポイントにしてきた。高校3年間では父の指導の下、「守備の統一をどうさせるかを話してきた」とコーチングを強化。今年からは副主将も務め、選手権出場に向けて主将などと話し合い、チーム全体のレベルアップを図るために競争率を高める紅白戦の起用法を考えた。厚くした選手層で勝利を重ねる。
初戦の奈良育英戦は自分たちが培ってきた前線からの守備と多彩な攻撃を武器にするなど、戦術が類似している相手。だからこそ「対策どうこうより、今までやってきたことを100%出せれば勝てる自信はある」と語気を強める。鉄壁の守備でゴールを封じ、白星をつかむ。(山崎 賢人)