2024年、ドジャースの大谷翔平が躍動して3度目のMVPに輝いたのとは裏腹に、昨年までチームメートだったエンゼルスの主砲マイク・トラウトの戦線離脱はファンを嘆かせた。
4月24日のオリオールズ戦で今季メジャー10号一番乗りを果たしながら、4月末に左膝半月板損傷という大けがで離脱。レギュラーシーズンの復帰かなわずシーズン29試合、打率2割2分、10本塁打、14打点で終えた。メジャーデビュー以降、出場数は最少、本塁打も右足脛の肉離れで36試合の出場に終わった2021年の8本以来の少なさだった。
トラウトは3度目のMVPに輝いた2019年まで通算1199試合、4340打数1324安打の打率3割5厘、285本塁打、200盗塁。WAR72・4(メジャー最低レベルの選手と比較してどれだけ多くの勝利に貢献したかを示す指標)、19シーズンプレーしたイチローが通算で60・0だったことを考えれば、28歳時点の選手としては驚異の数字を残していた。
ところが、その後は度重なる故障もあって、2022年こそ40本塁打を放ったが、最近5年間の数値は319試合、1171打数324安打の打率2割7分7厘、93本塁打、12盗塁と一気に落としていった。
1歳年下でデビューが5年遅いヤンキース、アーロン・ジャッジ外野手がメジャー1号アーチを放つ前までに161本打っていたが、現在は378本と315本で63本差まで近づいてきた。
米大リーグ公式サイトは24日(日本時間25日)、「ツリーの下に飾るMLBスターへのクリスマスプレゼント12選」と題して、ポスティングシステムでメジャー移籍を目指す佐々木朗希投手に続く2番目にトラウトを取り上げ、贈られるべきギフトは「600打席」だと紹介した。
2019年開幕直前に結び直したエンゼルスとの契約は12年総額4億2650万ドル。つまり、その間で期待通りに活躍は19、20、22年の3シーズン。残りの3シーズンは負傷続き。残り6年間の大型契約を全う出来るのか、疑問の声も上がっている。「600打席」が実現すれば、奇跡のカムバックになるのだが。