第101回箱根駅伝(来年1月2、3日)を主催する関東学生陸上競技連盟は29日、出場21チームの1~10区登録と補欠登録6選手を発表した。往路(2日)、復路(3日)ともにスタート時間(午前8時)の1時間10分前に当日変更が可能で、各校ともに補欠登録した主力選手を勝負区間に投入する。変更は区間登録選手と補欠登録選手の交代だけで、区間登録選手同士の交代はできない。各校の区間登録を受けて、戦いの行方を占う。
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国学院大、駒大、青学大の3強が優勝争いの中心だ。
学生3大駅伝初戦の出雲駅伝(10月14日)、第2戦の全日本大学駅伝(11月3日)は、いずれも国学院大が優勝、駒大が2位、青学大が3位だった。さらに上位6校まで順番は同じ(出雲5位の米国アイビーリーグ選抜を除く)で、創価大、早大、城西大と続いたが、3強と4番手以降には差がある。逆に3強には実力差は、ほぼない。
青学大は2~4区に並べることが濃厚な黒田朝日(3年)、鶴川正也(4年)、太田蒼生(4年)で先手必勝を期す。対照的に国学院大は往路で耐えて、復路で勝機を見いだす。駒大は故障のため、出雲と全日本を欠場したエースの佐藤圭汰(3年)が鍵を握る。
爆発力がある吉田響(4年)を擁する創価大、バランスが整った早大、「4代目・山の神」の有力候補の斎藤将也(3年)を軸に戦う城西大、上位10人の1万メートル平均タイム最速の中大も流れに乗れば、トップ争いに加わる力を持つ。
優勝争いと同じく、シード権(10位以内)争いも激烈。前々回11位の東京国際大、前回11位の東海大は翌年度の予選会で敗れた。10位と11位は天地の差がある。
箱根駅伝は文字通り、山あり谷ありのタフな戦い。しかも、全10区間が20キロを超える長丁場。勝ち抜くためには四つのポイントがある。
その1、エース。1~4区で流れに乗るために1人ではなく、複数のエースが必要だ。
その2、山。上りの5区、下りの6区の特殊区間はスペシャリストが鍵を握る。
その3、選手層。7~10区にどれだけ実力者が残っているかが、勝負の明暗を分ける。
その4、ロード適性。トラックの持ちタイムは参考に過ぎない。駅伝では「速さ」より「強さ」が求められる。
この四つの要素は足し算でチーム力が決まるが、これに「コンディション」という重要な要素が掛け算される。レース当日のコンディションが5割なら実力は半減する。関東学生連合を除く全チームは、選手寮で共同生活を送っているため、ひとりでも感染症を患えばチームは大ダメージを受ける。万全の体調でスタートラインに立つために勝負は、すでに佳境に入っている。(箱根駅伝担当・竹内 達朗)