プロ野球の世界に飛び込むルーキーたちが6日、各地で続々と選手寮に入った。いきなり迷子になってしまう選手がいれば、かわいらしいぬいぐるみに癒やしを求める選手も…。それぞれのやり方で、プロへの第一歩を踏み出した。
***********
日本ハムのドラフト1位・柴田獅子(れお)投手(18)=福岡大大濠=が6日、入寮前に迷子になっていたことを明かした。実家のある福岡から千葉・鎌ケ谷の勇翔寮まで1000キロ超の1人珍道中。雨の中、学ラン姿で堂々と登場したが、実際はドキドキの連続だった。
スタートから想定外だった。福岡空港で飛行機のスマホチケットの出し方が分からず保安検査場を搭乗2分前に通過。なんとか羽田空港に到着したはいいものの「端から端まで…冷や汗出まくりでした」と空港内で30分迷子に。初めは電車で向かうことを考えたが、「(路線図が)見たことない字ばっかりだったので」と諦め、やっと見つけたタクシーに乗車。品川駅などで電車に乗り換えるプランも検討したが「早く着きたい。わかんないから、もう、1本で」と鎌ケ谷まで直行。約40キロの道のりは通常、電車とタクシーを乗り継げば、1時間30分、3300円ほどで移動できるが、約1万7000円のVIP移動で1時間ほどで到着した。
波乱の連続だったにもかかわらず「大吉だったので」と意外にも自信満々。偶然乗ったタクシーの運転手は鎌ケ谷出身。道案内どころか観光案内までしてくれ、快適に到着した。正月のおみくじは「ずっと当たるまで」と、幼少期から大吉が出るまで引く。今年は1回目が中吉。「悔しかったので」と2回目で大吉を引き当てた。
投手では最速149キロ、打っても高校通算19本の二刀流は「早く野球がしたい」と8日からスタートする新人合同自主トレが待ちきれない。大物ぶりを見せつけたスター候補は、本職の野球でも持ち前の負けず嫌いで難敵を攻略していく。(川上 晴輝)