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「誰が休むって言った」 照ノ富士、初場所横審稽古総見で大の里に3勝4敗「あとは体の感覚を戻すだけ」

スポーツ報知 2025年1月7日 5時30分

 大相撲初場所(12日初日、東京・両国国技館)を前に横綱審議委員会(横審)による稽古総見が6日、国技館内の相撲教習所で行われた。横綱・照ノ富士(33)=伊勢ケ浜=は、大関・大の里(24)=二所ノ関=を指名し、3勝4敗。両膝痛などによる2場所連続休場から3場所ぶりに復帰し、綱取りに挑む両大関、豊昇龍(25)=立浪=、琴桜(27)=佐渡ケ嶽=の壁になる。

 付け人と入念に準備運動をし、3大関の申し合いに割って入った。照ノ富士は「同じ右四つでやりやすそうだから」と大関・大の里を指名。最初の手合わせで、圧力をかけて寄り切った。その後はまわしを切られて土俵を割るなど3勝4敗だったが、「今日から(相撲を取る)稽古が始まった。普通じゃない?」と充実した表情を浮かべた。3場所ぶりに復帰となる初場所への出場可否を問われると、即座に「誰が休むって言った」。気迫が漂った。

 昨年7月の名古屋場所で優勝後、両膝の古傷、糖尿病などの影響で2場所連続で全休。負傷や持病の影響を受けて出場と休場を繰り返してきたが、昨年12月の冬巡業後は、部屋でじっくりと体を作ってきたという。「スタミナ面はこれから上げていけばいい。あとは体の感覚を戻すだけ」と手応えを口にし、「大関と稽古できるようになったのでペースを上げたい。体重のかけ方とか、細かいところと直していければ良いね」と自信をみせた。

 今場所は豊昇龍、琴桜の両大関が綱取り。先場所不在だった照ノ富士は「3大関がいて2人が綱取りの可能性がある。切磋琢磨(せっさたくま)して上がってくれれば良い」と歓迎した。横綱昇進の内規は「2場所連続優勝か、それに準ずる好成績」。八角理事長(元横綱・北勝海)は「最後まで出場できれば大関には相当なプレッシャー」と指摘し、終盤に対戦する見込みの照ノ富士が壁になることを期待した。

 照ノ富士について、同理事長は「戻りつつある。(昨年10月の)秋巡業よりいい。さすが10回優勝しているだけあって相撲がうまい」とうなり、横審の山内昌之委員長(東大名誉教授)は「横綱は思った以上に回復していた。若手にアドバイスしていたし、横綱としての自覚が感じられた」と目を細めた。照ノ富士が新年の土俵に立ち、横綱の姿を示す。(山田 豊)

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