大相撲の元幕内・旭大星(35)=大島=の引退会見が8日、東京・両国国技館で行われた。昨年の秋場所で負け越し(2勝5敗)て引退を決意。全休した九州場所から帰京した後に師匠・大島親方(元関脇・旭天鵬)に報告した。
「ケガをして序ノ口から復帰して関取に戻ることだけを考えていました。正直、膝のケガが(引退の)原因ではないです。ケガは良くなっていたし、その状況でも勝てなくなった。強いお父さんでいられなくなり、関取に戻れなくなったので引退を決めました」。
北海道・旭川市出身で18歳で先代の大島部屋に入門。デビューから6年半の2014年の名古屋場所で関取に昇進した。18年の夏場所で新入幕を果たし、いきなり2桁勝利を挙げて敢闘賞を獲得。その後は両膝の半月板損傷や左アキレス腱断裂のケガに苦しんだ。
師匠の大島親方は「ここまで来るとは思わなかった。体もそうですし、相撲経験もない。すぐ辞めるだろうなと。それが体が大きくなって番付も上がっていった。幕内に上がった時はすごいと思いましたよ。長い間、私の付け人もやってくれた。私が優勝した時にも一緒に喜んでくれた。少しはいい勉強、いい手本になれたのかな」。
第二の人生はすでにスタートしている。東京・高田馬場にある油そばの名店「きりん寺」で修行中。「将来は自分の店を持ちたい。なんでもやってます。掃除、皿洗い、麺作り。それにしても通勤の満員電車がきつい。朝10時に出社して深夜12頃に自宅に帰ります。きついのは当たり前、覚悟はしてます。辛抱です」と旭大星は胸を張った。しかし、後になって昨日から通い始めたことが判明して報道陣からとツッコミを入れられる、明るい引退会見となった。