首都大学リーグ1部の東海大が8日、神奈川・平塚市の同大球場で始動。今秋のドラフト候補に挙がる大塚瑠晏(るあん)主将(3年=東海大相模)がプロ志望を明言した。
甘いマスクが引き締まった。大塚は将来の進路について「プロ志望で。野球を始めた頃からの目標というか夢でもあったので」と言葉を強めた。169センチ、73キロと決して大柄ではないが、軽快なフィールディングに50メートル走6秒0の俊足に巧打も光る三拍子そろった遊撃手だ。長谷川国利監督が巨人のスカウトを務めていた時、初めて大塚のプレーを視察したのが東海大相模の2年時。「ヒットだなと思ったら、あんなところにいるといった感じでした」とうなったほどの守備範囲の広さを誇る。「自分は守備が強みなので、守備以外でもスピード感があることが売りだと思っています」。東海大からのプロ入りとなれば20年巨人2位の山崎伊織以来となるが、内野手では12年巨人5位の坂口真規以来、13年ぶりとなる。
リーグ戦75度の優勝を誇る名門も22年春を最後に5季も優勝から遠ざかる。「春、秋とリーグ戦優勝。そして日本一」と目標を口にした。高校では主将としてチームをまとめてセンバツ優勝に導き、大学でもキャプテンシーを生かして全部員を束ねる。「いい影響をもたらすようにグラウンドの中でも私生活、寮生活の面でも引っ張っていかないといけない」と責任感をのぞかせた。
名前の瑠晏は両親がつけてくれたもの。「華やかで人を引きつける魅力を持ち、幸運に恵まれた人生を歩んでほしい」という意味が込められ、成功を収める画数だという。「覚えてもらいやすいので自分でもいいなと思っています」と笑った。大学日本一、そしてプロ入りへ。名前の由来の通りにラストシーズンを進んでいく。
(秋本 正己)
◆大塚 瑠晏(おおつか・るあん)2003年10月26日、栃木市出身。21歳。栃木南小で野球を始め、6年時にヤクルトジュニアでプレー。栃木南中では小山ボーイズに所属し、ジャイアンツカップなど全国大会に出場。東海大相模では2度甲子園に出場し、3年時に主将を務めて春のセンバツで優勝を果たした。東海大では2年春から出場し、侍ジャパン大学日本代表候補にも選ばれた。リーグ戦通算成績は47試合で打率2割9分3厘、2本塁打、2盗塁。169センチ、73キロ。右投左打。