巨人の井上温大投手(23)が9日、自身初の開幕投手に意欲を示した。戸郷が最有力候補の開幕投手について、阿部慎之助監督(45)が本紙の新春インタビューで「もしかしたら、初戦から左投手を当てたいと思ったら井上もあるかもしれない」と明かしたことに、「憧れではあります。したいですね」と反応。指揮官が大きな期待を寄せる左のエース候補は、自身に高い目標を設定して大役に挑戦する。
キラキラと目を輝かせながら、井上は夢の光景をイメージした。12人だけが立てる開幕戦のマウンドで腕を振る自分を思い描き、偽りない本音を口にした。
「(開幕投手は)もちろん憧れではあります。したいですね」
元日付の本紙インタビューで、阿部監督が開幕投手に言及。「今年はギリギリまで言うのはやめておこうかなと。開幕投手をやりたいなら頑張ってアピールして、ということ。もしかしたら、初戦から左投手を当てたいと思ったら井上もあるかもしれない」と明かした。その言葉に反応し、大役へ意欲を示した。
憧れだけには終わらせない。開幕投手候補は昨年初めて務めたエース・戸郷が筆頭。2年連続10勝の山崎も名乗りを上げている。先輩2人に比べて実績で劣ることは承知の上で立候補したのは、阿部監督の言葉に心を揺さぶられたからだ。
「選択肢のひとつに自分の名前が挙がることはすごいうれしい。開幕ローテーションに入ることも難しいこと。自分のやるべきことを1個1個キャンプでやって、結果的にそこ(開幕投手)になれたらもちろん光栄なことなので頑張りたい」
昨季はシーズン途中からローテに定着して25登板で8勝5敗、防御率2・76。リーグ優勝に貢献し、ビールかけも体験した。初めて侍ジャパンにも招集され、プレミア12では開幕投手を担うなど3戦3勝。飛躍の1年となったが、自らリセットボタンを押した。
「満足する人は誰もいない。今までできてなかったことができるようになったことはいいことですけど、次の年になったら関係ない。またそれより上を目指そうと」
この日は年が明けて初めてのG球場で同期の堀田と自主トレ。1年先まで想像しながら、体を動かした。
「3年やったら認められるみたいなものがあると思う。今年がその2年目。絶対にずっと1軍にいて、ホップ・ステップ、までいけるように。最後ジャンプできるようにしたい」
2025年は年男。「(開幕戦は)その年のチームの流れを左右する試合。本当に大事な役割だと思います」。夢の舞台を目指し、左のエースへジャンプアップする。(水上 智恵)