俳優・阿部大地が、芸能事務所「モンスターファーム」が主催する主演舞台「遺音」(東京・下北沢「劇」小劇場、12日まで)に出演している。
戦時下の日本を舞台にした作品で、特攻隊の若者たちを描いた。演出は保母海里風氏、プロデューサーを平木秀明氏が務める。
9日に初日を終えた主演の阿部は「今はホッとしています。僕たちがみんなで作った作品が受け入れてもらえて、とても嬉しかったです。個人的に、下北沢の地で芝居をすることに今まで縁がなかったので最後のカーテンコールの景色はすごく新鮮な景色でした!」と笑顔。その上で「この作品はみんなでつないでいく事が何より重要だと僕は考えています。先人たちに敬意を払いその思いを大切にこれからの公演も必死に全力で舞台上で生きていこうと思います。見に来ていただいた皆様に1つでも多く思いが伝わるよう頑張っていきたいと思います!」と意気込んだ。
ヒロインを務める女優の伊藤萌々香は「誰一人かけることなく初日を無事迎えられた事が凄く嬉しいです!今日まで積み重ねて来た事をしっかりとお客様に届けられた実感があります。終わったというより始まったなという感覚です。舞台もそうですし、事務所として新たな一歩を踏み出したと思っています」と明かした。
演出の保母氏は今回の作品について「10年くらい前にひっそりと企画していて、ずっと頭の片隅にあった作品です。『生きる』ということをテーマにしたこの作品は特攻隊員の最期の1日を描いています。日々の忙しさの中で、命の価値の重さがわからなくなりもがき苦しんでいる人が多いこの時代。自ら、生きることを諦めてしまう人も少なくはありません。死と隣り合わせだった戦時下の作品を通して、生き抜くことの大事さ、重みを少しでも伝えられれば嬉しいです」と話した。