FC東京の小原光城GMが10日に味スタで行われた新体制発表の記者会見でチーム状況についてや、今後への展望を語った。
リーグ戦7位だった昨季の戦いについて「7位という結果で、正直言って悔しい。もっと上に行けたというのが正直なところ。チームのパフォーマンスが不安定だったというところに尽きる。理由として、攻守にわたる戦術の積み上げの不足が大きな要因ではあった。攻撃のところのチャンス構築の停滞、守備のところの失点の多さ。代表的なところでいうとプレッシングの整理がもう少しできたかなと思っている」と分析した。
その一方でプラスの要素として「A代表に長友選手、五輪代表に(候補も含め)木村選手も含め5名の選手を送り出せた。アンダー21以下の選手の出場率は、リーグでトップクラスに入る。選手を成長させながらいけたシーズン。ゴール数でいうと、一試合平均1・4点で増加傾向にある。とはいえ、もっと上位を狙うためには得点数を1・6~7、2点近くに上げていくところをやっていかなければいけない」とした。
来たる新シーズンに向けては「まず『One more Goal』というところに関し、より多く得点を奪って勝利していくというところ。そのために保持率を上げるということではなく、相手陣内でのプレー時間、プレー回数、ボール保持率を上げてアタッキングサードやペナルティーエリアに数多く侵入していく、そしてより多く得点チャンスを創出するというところ。プレッシング、守備に関しても、積極的な守備、相手陣内で守備をしていく場面を、より多く作る。それが失点の低下にもつながり、攻守において主導権を握り続けるフットボールを実現していくというところがフィロソフィー(哲学)にある。その中で2025シーズンは攻守における戦術の徹底と明確化で、我々FC東京独自の攻撃的なフットボールスタイルを築き上げて勝利を手にし、上位争いに食い込んでいくシーズンにしていきたいと思っている」と力説した。
松橋力蔵監督を招へいした理由について小原GMは「我々はここ3年、フットボールスタイルの転換に取り組んできて、かつ、それに対する今抱える先ほども申し上げたような戦術的な課題を解決でき、在籍する選手の良さを引き出していけるというのを監督の要件に挙げていた。日本人に限らず、欧州をはじめとした外国人複数名の候補とミーティングも行い、最終的に松橋監督の招へいを決定した」と説明した。
主に3点のことを強調し、1つ目として「前チームの新潟さんのフットボールを東京に持ち込んでもらうということではなく、我々の独自のフットボールスタイルを築き上げたい。それは敵陣でのプレータイプを上げていくという部分。2022年の(新潟の)J2優勝時に42試合で73得点を記録している。我々の特徴である、相手に脅威を与えるようなスピードある攻撃を生かすために、相手陣内に効果的にどのように入っていくか。前線の選手に良い形でボールを届けるかというところのビルドアップの整理を課題に挙げていて、そこに長けている監督だというのが理由」と語った。
2つ目として「選手の能力や特徴を最大限に発揮させて適切な競争を促し、個人とチームの成長を最大化させるマネジメントしていくというところ。新潟さん時代に、限られた条件の中で選手の能力を引き出し、選手の入れ替えも大きいチームだとお聞きしたが、その中でJ2優勝、J1で10位(23年)、(昨季)ルヴァンカップ準優勝と着実に成果を上げてこられた。かつ、J1でナンバーワンの保持率を確立するという着実な成果も上げられている手腕を持つ。多くの若手を成長させて欧州や他クラブに育成して巣立たせているという部分でも非常に長けている。選手の信頼も厚いという評判も聞いている」と挙げた。
3つ目としては「ここ3年、フットボールスタイルの転換を図ってきた中で、アルベル監督、ピーター・クラモフスキー監督と共に合計4年間にわたり共に仕事をしているというところも非常に大きかった。我々が過去3年間、チームで取り組んできた内容をしっかり理解をして、そこに対する課題や最適解の落とし込みが非常に早く進むだろうというところ。これが3つ目の大きな理由。チームコンセプト、ゲームやトレーニングの構築を理解し、その優位性や強み、課題や弱みを熟知しているというところが非常に大きかった」と語った。
また、同GMは今季の選手リストになかったFWジャジャ・シルバに関して「今現在交渉中。また決定次第お知らせします」と明かした。